【睡眠専門医がお答えします! 睡眠時間、起床時間、睡眠薬...改めて知っておきたい「眠りの悩みQ&A」

Q.睡眠不足が続くと、体にどんな影響が出ますか?
→脳の機能や血管に影響を及ぼす他、免疫力も低下します。

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国際的に短時間睡眠とされる6時間以下の睡眠を続けた場合、脳の機能や認知機能の低下を招くことが分かっています。さらに、免疫力の低下の他、血管に炎症が起きて動脈硬化や心筋梗塞の発症リスクが高まることも。また、食欲を高めるホルモンが過剰に分泌され、食欲を抑えるホルモンの分泌が抑制されるため、肥満の原因にも。

Q.睡眠の記録は取ったほうがいいですか?
→睡眠の変化や良い状態も分かり、おすすめです。

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不眠の人の多くは、自分が眠れたか否かを「記憶」に頼って評価します。記憶に頼ると、実は眠れていても不眠の印象ばかり思い浮かぶもの。ノートなどに起床時間や運動したかなどを記録すると、どう過ごしたときによく眠れたか、逆に眠れなかったか日々の傾向が分かり、具体的な対策につなげやすくなります。ただし、数字などに目が行きすぎると不眠が悪化することもあるので、気楽に行って。

Q.睡眠薬に頼ってもいいですか?
→よいですが、根本的な解決法ではありません。
睡眠薬は頭痛のときの鎮痛剤のようなもので、不眠そのものを治すわけではありません。ただ、種類を知っておくと役立つことも。現在、処方薬は17種あり、その8割が私たちを眠らせる「睡眠脳」を強化するタイプ。効果が見られず薬を変えても、同じタイプでは意味がない場合もあります。自己診断で服薬をやめない、眠れるようになったら薬を減らせないか医師に相談することも大切です。

Q.医療機関に行くときの目安は?
→3週間以上、苦痛を感じたら相談を。

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入眠に1時間以上かかる、または夜中に何度も起きて困る状態が3週間以上続いたら受診を検討しましょう。不眠が原因で日中の生活(仕事・家事・運転など)に支障があるときは、週数に関係なくすぐ受診を。睡眠時無呼吸症候群など別の病気が潜んでいる場合もあります。「日本睡眠学会」のホームページに指導医などの一覧があるので、参考に。

構成・取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/来迎純子 
※この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2025年10月号に掲載の情報です。

 

<教えてくれた人>

上島医院 院長
渥美正彦(あつみ・まさひこ)先生

大阪市立大学医学部卒業。精神科、脳神経内科などを経て、睡眠専門医に。2010(平成22)年より現職。不眠症のほか、うつ病や双極性障害などについて分かりやすく解説し、講演などでも活躍。YouTubeチャンネル「睡眠専門医渥美正彦」のチャンネル登録者数は約14万8000人を誇る。

※この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2025年10月号に掲載の情報です。
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