冬になると外出が減りがちです。暖房の効いたお家で糖質の多い、お正月のお楽しみのおもちやみかんを食べて、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。糖尿病を予防・改善するには食事を見直すことが必要です。長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、薬に頼らずに血糖値を下げる食べ方や食材について聞きました。
糖質ゼロにせずに主食は「ちょいオフ」が大事
糖値を下げるには、毎日の食事を見直します。血糖値を上げるのは糖質なので、まず糖質の量を減らします。
「主食の糖質を10〜15%ほど減らす『ちょいオフ』を心がけましょう。それだけで、薬を使わなくても血糖値を下げることができます」と栗原先生。
例えば、1日に茶碗4杯分のご飯を食べている人は、3杯半に減らすだけでいいのです。
気を付けたいのは、主食を全く食べないというような「糖質ゼロ」にしないこと。
体が危険を感じて、逆に脂肪をためこんでしまいます。
主食を減らしても、おかずの野菜や調味料に糖質が多く含まれていることがあります。
その分、主食を控えたり、なるべく糖質の少ない味付けを工夫します。
野菜や調味料にも糖質を多く含むものがある
"食べ方改革"体験談
・高カカオチョコレートで糖尿病が改善
Aさん 40歳代女性
お菓子が好きなAさんは糖尿病で受診。お菓子をやめて1日5枚の高カカオチョコレートを食べて、ご飯を1口残すことを心がけました。2カ月でALTが理想値になり、ヘモグロビンA1cは糖尿病の判定値を下回りました。体重も11kg減りました。
・ゆっくりかむだけで数値に変化が
Bさん 50歳代男性
Bさんは糖尿病と、中性脂肪が高い脂質異常症で受診しました。食事内容は問題がなかったので、ゆっくり噛むことを意識して、ご飯を一口残すことも実践。1カ月でヘモグロビンA1c、ALT、中性脂肪が全て改善しました。
取材・文/松澤ゆかり