健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
病気の人もそうでない人も、健康維持のために実践を!
自己治癒力を高める方法にはどういったものがあるのでしょうか? ここでは、その方法を具体的に述べていきたいと思います。
自己治癒力を高めるためには、面倒くさい手順や、厳密さ、果てしない努力が必要なのでは......と、構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなものは一切不要なのです。基本はまず、生活のなかに、「NO(嫌)」「WANT(したい)」「SOSO(いい加減)」を取り入れることです。この3つの感覚を大切にした上で実践して、はじめて効果が期待できます。すべてを徹底して行なうのではなく〝いい加減に〞、6〜7割の達成度を目安にしましょう。
あと、1つだけ確認していただきたいことがあります。〝ストレス〞についての考え方です。ストレスは常に悪者なわけではありません。ストレスを味方にするか敵にするかは、実は僕たち次第なのです。ストレスは、言い換えれば単なる〝刺激〞でしかありません。そのとらえ方は、ケースバイケースなのです。
またストレスは、生きる原動力になるものです。いたずらにストレスを避ければ、人生の精彩を欠くことにもつながりかねません。ストレスがあるからこそ、人は成長できるし、達成感を味わえるのです。
これから紹介する14項目は、いずれもがんの方々(自己治癒力が極端に低下した状態であると想定)のデータベースを元に、予後を大きく左右する必要最小限の事項です。実際にリンパ球数の増加をはじめ、QOL(生活の質)の向上、生存率の上昇などのパラメーター(事項)の改善を有意に認め、自己治癒力を高める必須の方法だと僕たちが考えている項目です。
もちろん、実際にがん患者さんにもお勧めしている事柄ですが、がんだけにこだわらず、慢性疾患はもちろん、みなさんの自己治癒力を高めるにも有効なはずです。しかもこれらは、ほんの少しばかりの気づきと努力で誰もが自分自身で行なうことができ、日常生活のなかに無理なく取り込めるものばかりです。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。