炭水化物を極端に減らすと筋肉がとけ、自己治癒力も低下する/9割の病気は自分で治せる!(37)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

栄養素を減らさずにカロリーを減らし、あとは適度な運動を

産業医をしていたころ、女性社員の方からよくダイエット(減量)について相談されました。読者のみなさんの関心も、きっと低くはないでしょう。

それにしても、世のなかにはいろいろな減量方法があるものです。よく考えるものだと感心しきりですが、それだけダイエットは〝おいしい〞ビジネスなのでしょう。

同じものばかりを食べ続けたり、炭水化物を極端に減らしたりすると、確かに体重は減りますが、当然のことながら栄養が偏ってしまい、自己治癒力が低下します。

単品食品ダイエットは昔からよくある手法で、「リンゴダイエット」「こんにゃくダイエット」「バナナダイエット」など、例を挙げればきりがありません。同じものばかりを食べるとすぐにおなかがいっぱいになり、摂食量が低下します。また栄養が偏ってしまうことで、体重も減少します。画期的な方法などではなく、極めてあたりまえの話です。

炭水化物を極端に減らせば、当然エネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物の代わりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。そうなれば筋肉がとけ、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。

いずれの手法も体調を損ね、その結果として体重が減っているのです。早い話が病気になって痩せるという、当然の原理です。

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健康を維持しながらダイエットするには、結局、栄養素を減らさずにカロリーを減らすしかありません。つまり、食べる量と運動のバランスの調整です。

体重を減らすのに必要なアイテムは体重計です。体脂肪も測れればなおいいでしょう。そして、毎日体重計に乗るようにします。

あとはその値とにらめっこしながら、向こう1日や2日、間食を減らすか、アルコールの量を減らすか、あるいは脂っこいもの、甘いものを減らすか、はたまた、エレベーターやエスカレーターに乗らないか、自問してみることに尽きます。1カ月に5㎏となると少し努力が要りますが、1〜2㎏であれば、ほんのちょっとした心がけだけで、誰でも容易に減量できます。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

 
この記事は書籍「カラー版 図解 9割。の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です

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