コレステロール値と死亡率の意外な関係/9割の病気は自分で治せる!(35)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?



やっぱりコレステロールが低いほど死亡率は上昇する

日本動脈硬化学会は、治療が必要なコレステロールの値を220㎎/㎗以上としていますが、この数値については、医療関係者の間で多くの議論が交わされてきました。

「コレステロール値は高いほうが悪いから、薬で下げるべき」という日本動脈硬化学会に反し、「コレステロール値は低いほうが悪い」というデータが多数報告されてきたのです。

私を含め良識派(?)の大勢は、「コレステロール値が低いほど死亡率が高いので、無理に薬でコレステロールの値を下げる必要はない」と主張していましたが、偉い先生方は、「被験者の中に肝臓が悪い人たちや、病気でコレステロール値が低くなってしまった人たちが紛れ込んでいるために、コレステロール値の低い人のほうが死亡率が高くなるという変な結果が出ているだけだ」と反論してきました。

では、肝臓の病気などがある人たちを除外してデータを取るとどうなるか。これを含めてデータ集積したのが、今回の自治医科大学のリサーチポイントで、2011年に結果が発表されました(J Epidemiol 2011; 21: 67-74)。

結論を言うと、やはり良識派が主張してきたように、総コレステロール値が低い(とくに160㎎/㎗未満)ほうが死亡率が高くなっていました。

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男性の場合、総コレステロール値が160〜200㎎/㎗の人たち(第2群)が一番死亡率が低く、次は200〜240㎎/㎗(第3群)、そして240㎎/㎗以上(第4群)となり、一番死亡率が高いのは160㎎/㎗未満(第1群)となっています。

女性の場合もほぼ結果は同じで、200㎎/㎗以上(第3、4群)が一番死亡率が低く、その次は160〜200㎎/㎗(第2群)、そして断トツに死亡率が高いのが160㎎/㎗(第1群)なのです。

つまり、男女いずれも、総コレステロール値が低い人たちのほうが死亡率が高いのです(Ⓐ)。これは肝疾患を除いても(Ⓑ)、がんや心血管疾患の既往者を除外しても(Ⓒ)同じです。これにより、長年の議論には一応の決着がついたとみていいと思います。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

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この記事は書籍「カラー版 図解 9割。の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です

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