元気な老人は実は高血圧?/9割の病気は自分で治せる!(33)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

血圧を下げることの弊害は無視できない

相談を受けながらいつも疑問に思うのは、はたして一律に血圧を下げてしまう治療が必要なのか、降圧剤を処方することが正しいのか、ということです。なぜなら、降圧剤をのみはじめて、かえって調子が悪くなる方は少なくないからです。

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とくに高齢者の場合、上の血圧(収縮期血圧)を150〜160㎜ 以下に急激に下げてしまうと、元気がなくなった、もの覚えが悪くなった、頭がぼうっとする、集中力がなくなる、寝起きがすっきりしない、手足が冷たくなった......など、何かしら不定愁訴を訴える人が多くなります。老人ホームなどでは、降圧剤を服用している方のほうが、服用をやめた方に比べて認知症の進行が早いという報告もありますし、「NIPPON研究(NIPPON.DATA.80)」によりますと、自立度が著明に低下するとされています。

僕の先輩が運営する有料老人ホームで調べてみたことがありますが、やはり降圧剤をやめた人たちのほうが、QOL(生活の質)も高く、なべて圧倒的に元気なのです。

血圧が高くなるのは、それなりにちゃんとした理由があります。血圧を高く保つことによって、生体の機能がうまく維持されているのであり、体の適応なのです。

何の脈絡もなく薬で無理やり血圧を下げて、体にいいわけがありません。

しかも、上の血圧値が180㎜ くらいまでは、脳卒中になる可能性が高くなるという明確な根拠もありません。それどころか、1984年に発表された「ヨーロッパ高齢者高血圧研究会(EWPHE)」が行なった調査によると、高齢者にとっては、むしろ血圧が高ければ高いほど、総死亡率が低くなるという結果も出ています。

また、先ほどの老人ホームで生活をしていらっしゃるお年寄りの方々で調べてみたところでも、白血球数が多いこととともに、血圧が高いことが、元気なご老人の共通点でもあったのです。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。
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