アラフィフ女性にとって、身近なテーマである「更年期」。でも、更年期に起こる心身の不調の症状や程度、改善法は本当に人それぞれですよね。そこで、薬剤師やジャーナリストの方に、漢方で更年期症状が快方に向かった方のケースをお聞きする「更年期『漢方』相談室」を連載形式でお届け。第22回は、漢方薬・生薬認定薬剤師の清水みゆきさんに「更年期の耳鳴り」についてお聞きしました。
こんにちは、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」で薬剤師として働いている、清水みゆきです。
40代になってから、耳鳴りが続いてイライラする、耳鳴りが気になってぐっすり眠れないなどのお悩みをお持ちではありませんか?
それはもしかしたら更年期のせいかもしれません。
45~55歳の閉経前後の10年間は更年期と呼ばれており、この時期はホルモンバランスの影響で耳鳴りが多くなることがあります。
私が対応したお客様でも、更年期世代の方で、急に始まった耳鳴りにお悩みの方がいらっしゃいました。
耳鳴りのせいで睡眠不足になり、仕事や家事にも支障がでてお困りだったそうです。
そんなNさん(48歳)が漢方で耳鳴りを改善できた事例を通して、更年期の不調の改善方法をお伝えいたします。
1.更年期の耳鳴りの原因とは?
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。
40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
このホルモンバランスの乱れにより自律神経が不安定な状態になることが、更年期の耳鳴りの原因と考えられています。
漢方医学では、ホルモンバランスの乱れの他、加齢により水(血液以外の水分)の巡りが悪くなり、余分な水分や老廃物が三半規管や内耳にたまることが、耳鳴りの原因になると考えられています。
さらに、ストレスによる気の滞りにより血(血液)の巡りが悪くなると、耳のある頭部までしっかりと血が巡らなくなるため、それが耳鳴りの原因となることもあります。
2.キーンと響く音が気になって眠れない、48歳保育士を悩ます耳鳴り
Nさん(48歳女性)のエピソードをご紹介します。
Nさんは、中学2年生の息子さんと高校2年生の娘さん、ご主人(50歳)の4人家族で、市内の保育園にお勤めのベテラン保育士さんです。
半年ほど前から毎月の生理がきたりこなかったりと不順になり、その頃からもともとの冷えや肩こりが悪化してきたそうです。
さらに、最近ではめまいを感じることが増え、疲れた時などキーンと響く耳鳴りが続いてお困りでした。
「私が勤務する保育園は待機児童が多い地区にあって、ギリギリの人数の保育士で何とか切り盛りしている状態です。若い保育士が多いこともあり、私はクラスリーダー(主担任)もしています。クラスの運営を任せられているので責任やプレッシャーもありますが、子どもたちはかわいいですし、やりがいをもって働いています。でも、仕事や毎日の家事で忙しく、どうしても自分のことは後回しで・・・気になる体調不良もそのままにしていました。
先日、いつもなら疲れてすぐ眠ってしまうのに、耳の中でキーンという音が響いて眠れないということがありました。その日からでしょうか、とくに忙しい日や疲れた日は耳鳴りが続くようになりました。気になって夜ぐっすり眠ることができないんです。疲れている上に寝不足なので、体力的にもつらくなってきています。仕事中にぼんやりしたり、めまいでふらついたりすることが増えて同僚にも心配されています。どんなに忙しくても手作りしていた食事も冷凍食品やお惣菜中心になって、『お母さん、どうしたの? 大丈夫?』と家族からも心配されています」
眠れないからといって睡眠薬を飲むことには抵抗があったNさん。
美容院で偶然手にした女性誌の健康特集で更年期の症状に耳鳴りやめまいがあることを知り、「まるで自分のことのよう!」と驚いたそうです。
漢方が効くこともあるとあったので早速、漢方専門の病院を探して受診したとのことでした。
「漢方を飲み始めてまず感じた変化は、足腰の冷えの改善です。そして、飲み続けるうちに肩こりやめまいも軽減してきました。今でも疲れた時には耳鳴りがすることがありますが、気になって眠れないほどひどくはありません。ぐっすり眠れるようになったので体力的にもかなり楽になりました。心配してくれた家族も同僚も、私が元気になったことを喜んでくれています。これからも、自分の健康にも気をつけながら、自分の家族のため、保育園のかわいい子どものため、がんばっていきたいです」
そうお話してくださったNさんの元気いっぱいの笑顔が印象的でした。
3.更年期の耳鳴りは漢方で根本的に改善
女性ホルモンの変化は目に見えないので気がつきにくいですが、40代に入り、以下のような症状が見られる場合は、更年期の影響による耳鳴りかもしれません。
<これって更年期の耳鳴り?チェックリスト>
・耳鳴りだけでなく、急にめまいも感じるようになった
・気持ちの落ち込みやイライラも悪化している
・暑くもないのに大量の汗をかいたり、のぼせたりする
女性ホルモンのバランスの乱れには医薬品としても認められている漢方薬が効果的です!
「できるだけからだに負担のない薬がいい」「飲み続けても大丈夫な薬が欲しい」
そんな方にもおすすめです。
漢方薬は、いつまで続くか不安な耳鳴りにも効果が認められています。
漢方は根本的な不調の改善を目的とした医学です。これまで実に多くの人々のさまざまな症状を治してきました。
また漢方薬は、自然の草木や鉱物からできた生薬で作られています。
こうした自然のもつ力を上手に使うことは、私たちのからだの摂理に沿った無理のないやさしい作用をもたらします。
とくに漢方薬は、もともとの体質だからとあきらめていたようなことや、検査では異常が見つからないような症状に、その力を発揮してくれます。
漢方医学を日常に取り入れ、不調の改善と健康的な生活を送りませんか?
また、食事の栄養バランスを意識したり、毎日運動を続けたりするのは難しいという場合でも、漢方薬なら自分の体質や症状に合うものを飲むだけなので、気軽に継続できるという点もメリットです。
今回Nさんが服用した漢方は、産婦人科の三大漢方薬のひとつ「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」でした。
当帰芍薬散は、血を補い巡らせて体の中の余分な水を取り除き、耳鳴りを改善する漢方です。
冷え性や貧血傾向がある、むくみやめまいも気になる方によく使われます。
更年期の耳鳴りの改善には、他にも以下の漢方が使われることがあります。
<更年期の耳鳴りにおすすめの漢方薬>
●のぼせやめまい、イライラも気になる方:女神散(にょしんさん)
血を補い、気血の巡りをよくすることで過剰な熱をさまし、耳鳴りなどの精神神経の不調を改善する漢方薬です。
●めまいや立ちくらみ、頭痛も気になる方:苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
からだをあたため、水の滞りを取り除き耳鳴りを改善する漢方薬です。
ただ、どのような体質がその不調を招いたのかは人によって異なりますので、ご自身の状況に応じた漢方薬を選ぶことが大切です。
症状だけを見て漢方薬を選択すると、合っていない場合には副作用のリスクも高まります。
できるだけ漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談の上で、ご購入ください。
自分の症状に効く漢方薬が知りたい。コスパ良く漢方を飲んでみたい。という方には、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。
4.自分に合った漢方で更年期の耳鳴りから抜け出そう!
「急にキーンと音が響くようになった」
「耳鳴りが気になってぐっすり眠れない」
その耳鳴りの原因は更年期かもしれません。
更年期の耳鳴りはホルモンバランスの乱れやストレスが原因と考えられています。
自分に合った漢方で耳鳴りを改善して、更年期も元気に過ごしていきましょう!