コロナ禍での外出自粛などで、いま全国のシニアがフレイル(要介護の前の虚弱状態)の危機にあります。そこで、東京大学高齢社会総合研究機構の教授である飯島勝矢さんの著書『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』(KADOKAWA)より、自宅でできる感染予防や、要介護予防についてご紹介します。
筋力と筋肉量アップに!今よりも10分多く体を動かそう
あなたにとって無理のない運動を10分程度から始めてみましょう。
ウォーキングなどは心肺機能の向上や生活習慣病の予防に、スクワットなどは筋力アップに効果的です。
【ウォーキング】
コツはよい姿勢と広い歩幅。年をとると、背中が丸くなったり、歩幅が狭くなったりするので、前を見て、姿勢よく歩きましょう。
背筋を伸ばし、かかとから足をつき、つま先で地面をけるようにして歩く。すると、歩幅も広がる。
買い物へも少しハイピッチで
歩く速さはいろいろな健康リスクと関係しています。買い物などに行くときも、つらくない範囲で、いつもより少し速足で歩きましょう。
【スクワット】
太ももに負荷をかける運動です。回数の目安は10 回。椅子の背につかまりながら行うと、ふらつかずに行えます。
① 立った状態で、足を肩幅くらいに広げ、お尻をゆっくり下ろす。このとき、背中が曲がったり、かかとが浮いたりしないように注意。
② 太ももに力が入っていることを感じながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
【上体起こし】
ゆっくり、ややきついと感じるところまでやるのがコツですが、体調が悪いときは無理せずに。10回を目安にしましょう。
① 仰向けになって両ひざを立てる。両手は頭の後ろで組む。
② おへそを覗き込むように、首をゆっくり持ち上げる。
③ おなかに力が入っていることを感じながら、ゆっくりと元に戻る。
【ランジ】
これも10 回を目安にしますが、続けて行わず、休みを入れながらでもOK。翌日、筋肉痛にならない程度に行いましょう。
① 立った状態から、片足を前に踏み込む。
② 前に出した足にゆっくりと体重をかけてから元に戻る。
③ 反対の足でも、同じ動作を行う。
イラスト/中村知史
要介護の手前の「フレイル」状態を防ぐために自宅でもできる健康法について、5章にわたって分かりやすく解説