薬の飲み過ぎに気付く人も!「頭痛ダイアリー」のススメ

4人に1人が悩んでいるといわれる頭痛。改善には「頭痛のタイプ」を知ることと、「タイプに合わせた体操」などの実践が早道です。そこで、埼玉国際頭痛センター センター長の坂井文彦先生に「頭痛ダイヤリー」の基礎知識についてお聞きしました。

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頭痛治療の基本は体のリズムを整えること

「頭痛は、いくら検査をしても本人以外誰にも分かりません。ですから、できる範囲で頭痛ダイアリーを記録することが、治療の大前提です」と、坂井先生。

頭痛ダイアリーとは、頭痛の発作回数や痛みの程度、服薬の日数、量などを、簡単なメモと一緒に患者自身が記入する覚え書きのようなもの。

治療方針の決定に役立つだけでなく、認知行動療法(※)としての役割も期待できます。

※認知行動療法とは、ものの考え方や受け取り方(認知)に働きかけて、気持ちをラクにしたり、行動をコントロールしたりする治療方法のこと。

「例えば、午前・午後・夜にどんな頭痛が、どんな強さで起きたかを記録してもらいます。すると、午前中から重い頭痛がある場合、実は睡眠中や明け方から起きていることも考えられます。また、中程度の頭痛が朝から続いていたら、薬の飲み過ぎの可能性も。記録を読むことで、頭痛の起こり方と経過の違いが見えてきて、種類の特定や服薬のタイミング決定などに大変役立ちます」(坂井先生)

 頭痛の種類や頭痛が起こる誘因が分かれば、自分なりの予防策を立てやすくなります。

「頭痛は心身のリズムの変化と深く関係していると分かっています。まずは体操や腹式呼吸、散歩などで血行を良くしましょう。また、薬も年々進化しており、近年中には、副作用が少なく、薬物乱用につながりにくい予防薬が承認される見込みです。体のリズムを整えて頭痛をセルフコントロールすること、薬を正しく服用することが改善の近道です」(坂井先生)

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頭痛ダイアリーでこんなことが分かります

●どのくらい薬を飲んでいるか
服薬数や薬の効果を数値で確認。薬の飲み過ぎに気付く人も多い。

●いつ、どんなときに起こるか
1カ月ほど記録すると、次第に頭痛が起こるときの傾向が把握できます。

●前兆や誘因
寝不足や寝過ぎ、悪天候など、頭痛を引き起こす要因が分かります。

●頭痛のタイプ
頭痛の種類の見極めに役立ち、スムーズな診断や治療につながります。

頭痛ダイアリーはこんなふうに書きます

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記入のポイントは、①~③の3つ。上記の例をもとに、記入しましょう。

① 頭痛の程度と薬について
頭痛の程度を3段階(軽度+ 、中程度++ 、重度+++)で記録。あわせて、飲んだ薬とその数、効果を記入します。自分で分かれば、記号など簡略化してかまいません。

② 日常生活への影響
影響の程度を3段階で記載。+頭痛はあるが日常生活に大きな支障はない。++家事や仕事などの能率が通常の半分以下である。+++何も手につかず、横にならなければならない。

③ MEMO
1日の出来事や状態などを記入。【脈】脈打つ痛み、【は】吐き気、【重】重い痛み、【吐】嘔吐、【薬】薬が効いた、[薬] 薬が効かない、といったように、症状をマークにして記入するのもいい。

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取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/渡邉美里

 

<教えてくれた人>

埼玉国際頭痛センターセンター長
坂井文彦(さかい・ふみひこ)先生

慶應義塾大学医学部卒業。1976年米国ベイラー医科大学神経内科留学。97年北里大学医学部神経内科学教授。2010年より埼玉医科大学客員教授、現職に。著書に『「片頭痛」からの卒業』(講談社現代新書)など。

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「片頭痛」からの卒業

(坂井文彦/講談社現代新書

今回「頭痛さよなら体操」を教えてくださった坂井先生の著書。「片頭痛」を中心に、予防の仕方、治療、クスリとのつきあい方など、「頭痛治療の最前線」について、わかりやすく教えてくださいます。坂井先生が編み出した「頭痛ダイアリー」の活用法から、「頭痛体操」、頭痛になりにくい生活習慣まで盛りだくさんの一冊です。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。

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