44歳で初めて更年期を意識した50代女医が教える「私の更年期対策」

自分の体が思うようにならない...、そんな違和感がありませんか? 女性は特に40代以降、更年期や閉経という新しいモードに入っていく過程で、なんらかのトラブルはつきものです。そこで、『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)より、女性家庭医である著者が提案する、それぞれの年代で起こる女性の体の変化への「上手な対応策」を、連載形式でお届けします。今回は当時54歳だった常喜眞理先生ご自身の「更年期対策」についてご紹介します。

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さて、1963年生まれの私は現在54歳。まさに更年期に当たるお年頃? です。私自身の更年期とのかかわりについてお話ししましょう。

私はもともと体が弱かったせいか、軽微な体の不調は日常的なものでした。そのせいで、むしろ更年期を感じにくかったかもしれません。

それでも「あれ、これって更年期のせい?」と初めて思ったのは44歳のとき。必要に迫られてある薬を飲み始めたところ、全身が蕁麻疹に襲われました。蕁麻疹はそれ用の別の薬を服用することで抑えられたのですが、薬をやめるとまた出てきてしまい、薬を手放せなくなってしまったのです。

さらに、蕁麻疹だけでなく皮膚にまつわるトラブルが増え、すぐにかぶれを起こすようになりました。

もともとアレルギー体質があり、長年花粉症やほこりアレルギーに悩まされていましたが、雑巾を絞ると1回で手が赤くガサガサになってしまいます。

イカの皮むきやニンニクをすりおろしたりしても同様です。爪も割れやすくなり、突然深爪のように折れてしまい、つらい思いをしていました。

仕方ないので、いまは家事一切を薄い手袋をして行っています。

乾燥も関係していますので、ハンドクリーム、市販の爪用オイル、ジェルネイルなどでだいぶ楽になりました。

更年期というと、ほてり(ホットフラッシュ)や異常発汗がよく言われますが、実は皮膚に症状が現れるケースも多く、「私はこっちか!」と思ったものです。

そして47歳ぐらいから、ときおり、めまい・頭痛を起こすようになりました。

乗り物にも酔いやすくなり、数分、電車に乗っても酔うことがあります。

若い頃は頭痛持ちではなかったのですが、いわゆる老眼(調節障害)が出始めた40歳過ぎからしばしば頭痛を起こしたり、頭痛のない片頭痛を起こしたりするようになりました。

頭痛のない片頭痛というと、ピンとこない方も多いかもしれません。しかし、片頭痛と言われる病気の中にはこうしたものもあるのです。

視界がギザギザしたり、急に暗くなったり。私の症状は、ちょうど玉ねぎで目が痛くなり、鼻水が出て、涙と痛みで目が開けていられない状態とそっくりです。

そんなときは、15~20分間ほど暗いところで目をつぶってじっとしたり、鎮痛薬や安定薬を飲んだりすることでしのいでいます。

それから、ほてりとは違うのですが、急に暑くなったり、急に寒くなったり。それが数分おきに交互に現れることがあります。「ちょうどいい」状態がない感じ。これには、眠る際に体幹を冷やさないように気をつけています。暑くて半袖のパジャマを着ていても、首には布を巻き、腹巻きをする。体幹には重要な自律神経があるからです。

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ほかにも髪のツヤやボリュームが減り、この頃にそれまでのロングヘアをショートヘアに変えました。女性が髪をばっさり切るというのはけっこう決断がいるもので、ちょっとした感慨があったのを覚えています。理由が理由ですしね。一気に白髪も増え、思い悩んでいましたが、思いきって金髪にしてみたら、気持ちがラクになりました。

最近現れたのが左手の薬指の第一関節の痛みです。何もしなくても痛いですし、動かした拍子に「あっ、痛!」という調子です。いまのところ腫れはあまり目立たないのですが、父がヘパーデン結節という指の第一関節が変形する関節症を患っていたので、キタキタと思っています。それにしても、親に似たくないところが似てしまうものです。

このほか、関節については腰、肩、首、ひざと、ひととおりトラブルが出ています。関節の不具合はある年代を過ぎると完全にはよくなることはありません。ひざについては階段を避けたり平地で運動したりするなど、過度な使用を避けるようにしています。

私の更年期はまだ続いているようですが、では、こういった症状に対して私がどう対処しているかというと、針やお灸きゅう、マッサージ、そして不快な症状をごまかす薬。要するに対症療法ですね。

幸い、日常生活に大きく支障をきたすほどではないので、そんなふうに更年期とつきあっています。

更年期は加齢に備えるトレーニングと考える

更年期の症状は人それぞれですので、こうすればいい、という正解はありません。我慢できないようであれば、かかりつけ医(内科医や婦人科医)に相談して対症療法でやり過ごす、というあたりが落としどころでしょうか。

ホルモン治療については、私は超積極派ではないのですが、症状が深刻で困っている方にはおすすめです。期間は5年以内ぐらいかなと思っています。

ただし、ホルモン治療を受けて体調がよくなっても、20代の体に戻るわけではありません。さらに女性ホルモンを長期に補充することで、体にどんな影響があるのか、それはまだすべてわかっているわけではありません。今後の研究が待たれるところです。

更年期の症状が出ると、つい「いつまでこれが続くのかしら......」とネガティブに考えがちですが、いつかは落ち着くと覚悟を決め、自分の体の声に耳を傾けながら、更年期と寄り添ってみてはいかがでしょうか。

ある意味、更年期は加齢に備える、ひとつのトレーニングとも捉えられます。そういえば、「更年期は老年期における思春期である」と表現した人がいましたね。確かにモヤモヤ、ドキドキしているところは似ているかも?

ところで、たまに「更年期なんて全然、実感ないわ」という方がいらっしゃいます。まことに結構なことなのですが、しかし実際は何かしらの症状は出ているのに、一時的な体の不調と思っているだけかもしれません。

もしかしたら、更年期を認めたくないだけかも。要するに「なかったこと」にしているだけ.........でも、それはそれでOKでしょう!

ただし無理はしないでくださいね。

更年期、加齢期...「40代からの女性の体のドラブル」対処法はこちらの記事から!

syoei002.jpg40代~70代まで、年代別に表れる症状の解説や、それに対する具体的な対応策を紹介。女性家庭医として著名な著者が、わかりやすく解説してくれる一冊です。

※記事の画像はイメージです

 

常喜眞理(じょうき・まり)

家庭医、医学博士1963年生まれ。常喜医院の院長としての診療とともに、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として、婦人科や乳腺外科の診察結果を総合的に最終診断する立場を担っている。テレビの健康番組にも多数出演。

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『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』

(常喜眞理/株式会社すばる舎)

40代からの女のカラダは健康リスクがてんこ盛りです!女性のための年代別アドバイスで心と体の次のモードに備えましょう。輝く後半生に向けて、めざせ健康オトナ女子!!!

※この記事は『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)からの抜粋です。
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