冬になると外出が減りがちです。暖房の効いたお家で糖質の多いご飯を食べて、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。糖尿病を予防・改善するには食事を見直すことが必要です。長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、薬に頼らずに血糖値を下げる「高カカオチョコレート」の効果やレシピについて聞きました。
カカオを70%以上含み糖質が少ない食材『高カカオチョコレート』
高カカオチョコレートとは、カカオの含有量が70%以上のものをいいます。栗原先生がすすめる理由は「カカオの割合が高いほど、ポリフェノールや食物繊維が豊富だからです」。
抗酸化作用のあるポリフェノールは、インスリンの働きを改善し血糖値やヘモグロビンA1cを下げやすくします。また、食物繊維には糖の吸収を緩やかにして、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。
高カカオチョコレートを入れた「チョココーヒー」は1日2回を目安に飲みましょう。「チョコレート寒天」は食事前に食べると満腹感が得られて、食欲を抑えられます。ヨーグルト、くるみと一緒に取ると血糖値の上昇を抑えて血液をサラサラにします。
チョコレートを食べた後の血糖値とインスリン濃度
※1 カカオバター、砂糖などで作られたチョコレート。
※2 普通に食事をした場合の平均的な数値
※3 カカオを40%以上含むチョコレート。
出典:Grassi D.et al.(2005),Am.J.Clin.Nutrit.81:611-614を基に作成。
急激な血糖値の上昇を抑える『チョココーヒー』
1人分62kcal/塩分0g おすすめは1日2杯
材料(1人分)
ホットコーヒー1杯...150㎖
高カカオチョコレート...2枚(10g)
作り方
①熱々のコーヒーに高カカオチョコレートを入れる。
②ティースプ−ンなどで混ぜて高カカオチョコレートを溶かす。
ポイント
1日2杯、昼食前と15時ごろに飲む。
チョコレートがよく溶けるようにスプーンでかき混ぜてから飲む。
食事の量を減らせる『チョコレート寒天』
全量で236kcal/塩分0.1g おすすめは食前に2個
材料(3〜4日分)
高カカオチョコレート...8枚(40g)
粉寒天...8g
水...400㎖
作り方
①鍋に水と粉寒天を入れ、火にかけてよく混ぜる。沸騰したら木べらなどで混ぜながら1分加熱する。
②①に高カカオチョコレートを入れ、木べらで混ぜながら溶かす。
③②を製氷皿に移し、30分置いて粗熱を取り冷蔵庫で冷やし固める。
ポイント
できあがったものは密閉容器やファスナーの保存袋に入れて、冷蔵庫で3〜4日保存可能。
温度が高いうちに製氷皿に流し込む。
血液サラサラに『くるみチョコヨーグルト』
1人分279kcal/塩分0.2g おすすめは1日1皿
材料(1人分)
高カカオチョコレート...1枚(5g)
くるみ...3粒
ヨーグルト...210g
作り方
①高カカオチョコレートとくるみは食べやすい大きさに手で砕く。
②ヨーグルトをカップに移して、1を混ぜる。
ポイント
くるみをブルーベリーに置き換えるとポリフェノールがさらに取れる。
取材・文/松澤ゆかり 調理・スタイリング/渡邊美穂 撮影/菅原史子 栄養計算/スタジオ食