野菜から食べなくてもOKなんです。「血糖値を抑える3つの食べ方」とは

冬になると外出が減りがちです。暖房の効いたお家で糖質の多い、お正月のお楽しみのおもちやみかんを食べて、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。糖尿病を予防・改善するには食事を見直すことが必要です。長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、薬に頼らずに血糖値を下げる食べ方や食材について聞きました。

筋肉を強くするために肉、魚、卵を食べる

食事のときには、たんぱく質である肉、魚、卵などを食べて、筋肉を増やすようにします。

血糖値の上昇を防ぐ食べ方としてよく行われているのは、野菜を先に食べる方法です。

しかし、年齢とともに食欲が落ちている人は、野菜で満腹になってしまい、肉、魚、卵などを十分に食べられないことがあります。

「先に肉、魚、卵などを食べてから、次に野菜やご飯を食べます。この順番で血糖値の上昇が抑えられます」と栗原先生。

血糖値を抑える3つの食べ方

■食べ方1「肉や魚などを先に食べる」

食べる順番①たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)

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食べる順番②食物繊維(野菜・海藻・きのこなど)

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食べる順番③糖質(ご飯・パン・めん類など)

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肉・魚を先に食べると食後血糖値の上昇が緩やかに

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※出典:関西電力医学研究所 矢部氏らの資料を基に作成。
糖質であるご飯を先に食べると血糖値が急上昇する。
肉や魚を先に食べると、血糖値は緩やかに上昇する。

■食べ方2「早食いを改めてゆっくり食べる」

・30回かんで唾液を出す。
・一口食べるごとにお箸を置く。
・会話を楽しみながら、またはテレビを見ながら食べる。

■食べ方3「1日に自分の体重と同じグラム数以上のたんぱく質を食べる」

例えば、体重が50kgの人なら50g以上のたんぱく質を食べる。

主な食品のたんぱく質量

肉100g...たんぱく質20g
さばの缶詰1缶...たんぱく質20g
卵1個...たんぱく質10g
豆腐半丁...たんぱく質10g

50gのたんぱく質を摂る食べ方の例

・肉100g+卵2個+豆腐半丁
・肉150g+卵2個
・肉100g+さばの缶詰1缶+豆腐半丁

薬に頼らず糖尿病対策 血糖値を下げる6つの食材

糖尿病対策としては、血糖値を下げる効果が期待できる食材を使うことも大事です。「玉ねぎ」「トマト」「高カカオチョコレート」「きのこ」「緑茶」「豚肉」の6つの食材を毎日の食材に取り入れます。

取材・文/松澤ゆかり  

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<教えてくれた人>

栗原毅(くりはら・たけし) 先生

医学博士、栗原クリニック東京・日本橋院長。東京女子医科大学教授、慶應義塾大学教授などを経て現職。著書は『名医が教える「本当に正しい糖尿病の治し方」』(エクスナレッジ)など多数。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。

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