免疫力と自律神経に好影響。話題の「バナナ腸活」の始め方

腸が整うと免疫力が上がり、自律神経が整いやすくなりますが、そこでおすすめなのが1日1〜2本のバナナ。腸内環境を整えるレジスタントスターチが多く摂れます。今回は、順天堂大学医学部 教授の小林弘幸(こばやし・ひろゆき)先生に、「バナナ腸活の始め方」について教えてもらいました。

【前回】1日1~2本で免疫力アップ! 「バナナ腸活」について解説

バナナ腸活の始め方

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量は?

目指せ1日2本まずは1本から!

●無理をしない
「とにかくバナナを食べなくては」と、無理をしてストレスをためてしまっては意味がありません。「今日はちょっと」という日は、無理せずに、徐々に量を増やしましょう。

●忘れても気にしない
万が一、食べ忘れてしまった日があっても、気にしないことが大切。「もしも忘れても、思い出したときからまた始めれば大丈夫。常に"今日から始めよう"と思う気持ちが一番大事なことです」(小林先生)。

●持病のある人は相談してから
現在、持病をお持ちの方は、一度かかりつけの医師に相談してから「バナナ腸活」に取り組みましょう。

タイミングは?
朝食がベスト

最もおすすめなのは、食事の前に食べるバナナファースト。特に自律神経のスイッチを活動モードに切り替える朝食どきがベスト。食べ物が胃に入ることで腸のぜん動運動も活発になり、排便も促されます。また、バナナはGI値(※)が低いため、食後血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。その効果は、次の食事の後の血糖値にもいい影響を与えます。

※食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。

食後血糖値の推移

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*バナナを食べた後と白米を食べた後の血糖値変動の一例。編集部作成。

気になるカロリーや糖質は?

自然の甘みで体にいい

バナナには糖質が多いイメージがありますが、食物繊維を一緒に含んでいるため、実は糖質の消化吸収速度は緩やか。そのため、血糖値が急激に上がることがありません。また、甘みは習慣化しやすいので、無理なく続けることができます。

栄養バランス◎

食物繊維の他に、骨の健康に重要なマグネシウム、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、摂り過ぎた塩分を調節するカリウムなどがバランスよく含まれています。

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カリウムの量はバナナ1本でにんじん1本弱と同程度

バナナ1本約90kcal

バナナ1本当たりのカロリーは約93kcal。ご飯だと茶碗約半分(約82g)、6枚切り食パン約半分(約37g)とほぼ同じカロリーです。また、脂質がほとんど含まれていないのもポイント。免疫力と自律神経に好影響。話題の「バナナ腸活」の始め方 2301_P022_04.jpg

茶碗約半分         食パン約半分

選び方は?

「バナナ腸活」に最も適しているのは、茎に緑色が残っているバナナです。しかし、茎が黄色くなったからといって腸活効果がなくなるわけではありません。茎が緑色のものを見つけたら腸活のチャンスと思い、ぜひ購入を。

茎に緑色が残っているバナナ

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整腸効果No.1

レジスタントスターチの多さで選ぶなら、上下の先端部分に青み(緑色)が見られるバナナがベスト。硬めで甘みは少ないものの、分解・糖化される前のレジスタントスターチが多く、整腸効果を期待できます。

【茎が緑色のバナナを日持ちさせるには】

茎が緑色の状態を長持ちさせるには、バナナの熟成を促すエチレンガスの発生を抑えるのがポイント。保存の際は、1本ずつ分けて、新聞紙にくるんだ状態で野菜室に入れましょう。

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袋から出し、房になっているものを1本ずつ分ける。

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1本ずつ新聞紙でくるみ、冷蔵庫の野菜室に入れて保存する。

おなじみの黄色バナナ

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美肌&脂肪燃焼に

おなじみの黄色バナナには、肌荒れや皮膚の炎症を予防するビタミンB群が多く、美肌効果が期待できます。ビタミンB群やバナナに含まれる必須アミノ酸の中には、脂肪の燃焼を促す働きもあります。

茶色っぽい完熟バナナ

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免疫活性老化防止

茶色いシュガースポットが全体に現れた完熟のバナナには、リン脂質が含まれており、免疫活性効果や胃潰瘍の抑制効果を期待できます。老化防止に役立つポリフェノールは3つの中で最も豊富。

こんなふうに食べています

朝食前に1本、昼食の前や午後の休憩にもう1本バナナを食べるのが小林先生の習慣。ヨーグルトやコーンフレークのトッピングにするのもおすすめだそうです。

ヨーグルト+バナナ

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ヨーグルトに食べやすく切ったバナナをトッピング。

コーンフレークと一緒に

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コーンフレークに牛乳とバナナを入れて朝食に。

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 イラスト/ノグチユミコ

 

順天堂大学医学部 教授
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)先生

1960年生まれ。自律神経研究の第一人者。日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。学生時代はラグビーに熱中、スポーツにも造詣が深くパフォーマンス向上指導も。著書多数。

この記事は『毎日が発見』2023年1月号に掲載の情報です。

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