「白内障」という目の水晶体がにごってしまう病気をご存じでしょうか? 年間9000件以上の手術をこなす赤星隆幸先生によると、白内障は白髪のように「誰しもがなる老化現象」なのだそう。そこで、先生の著書『ビジュアル解説でわかる! 白内障手術のすべて』(赤星隆幸/KADOKAWA)より、白内障の基礎知識から、「50代から受けるのが最適」といわれる手術まで、抜粋してご紹介します。
60代で8割以上かかっていますが必ず治せる病気です
「年齢とともに、目が見えにくくなるのはあたり前......」そんな風にあきらめてはいませんか?
もし見えづらさの原因が白内障だとしたら、それは仕方のないことではありません。
まずは白内障を知ることからはじめましょう。
【白内障の特徴①】白内障は誰もが100%なる老化現象
病気でありながら老化現象でもあるので、遅かれ早かれ、最終的には誰もが全員白内障になります。
【白内障の特徴②】「白内障=高齢者」は大きな誤解
一般的な白内障は、老化が原因なので「加齢性白内障」と呼ばれています。
加齢性といっても高齢の人だけがかかるわけではなく、40代でかかる人も一定数います。
また白内障初期と老眼は症状が似通っているため、実際は白内障でもご自分が白内障だとは思いもしない人が少なくありません。
さらに近年特に目立ってきているのが、パソコンを使った仕事により、30代から発症する「若年型白内障」です。
【白内障の特徴③】40代以降の近視の進行には要注意
近視は、体の成長とともに眼軸(がんじく)が延長することで進行しますが、体の成長が止まる思春期過ぎには視力は安定してきます。
大人になってからもメガネを年々変えなくてはならない人は、近視の進行ではなく、白内障による場合が多いといえます。
【白内障の特徴④】光に敏感になったら白内障を疑おう
まぶしさを感じやすくなり、逆光状態だと急にものが見えなくなるなど、「光に敏感」になるのも白内障の兆候です。
たとえば、日中の運転は平気なのに夜間の運転では対向車のライトがまぶしくて運転が怖くなる。
照り返しが激しい日中のゴルフ場などでは、急に視界が悪くなる。
会議のプロジェクターがまぶしくて内容が分からない......などを感じ始めたら白内障の疑いが濃厚です。
【白内障の特徴⑤】ものがダブって見えるのも白内障
小さい文字や数字の見分けがつきにくく、ものが二重三重にダブって見えるのも、白内障ではよく見られる症状です。
たとえば、パソコンやスマホの「6と8」「0と8」「0と9」などの数字が判別できない。
説明書などの小さい文字がにじむ......などもサインです。
【白内障の特徴⑥】だんだん、よく見えるようになってくるのも要注意
白内障のタイプによっては、見づらくなっていた手元が、日が経つにつれて見やすくなるという、不思議な現象も起こります。
これは、白内障が原因で水晶体の屈折率が高くなることがあるからです。
遠視の人がこのタイプの白内障(核白内障)になると、白内障が進むにつれて遠視が解消するために、メガネが必要だった手元がメガネなしでも見えるようになってきます。
しかしこれはあくまでも一時的なうえに、このタイプの白内障は進行が速いので、早めの対処が必要となります。
遠視がいきなり解消した場合は要注意です。
【白内障の特徴⑦】視界がかすんだり色の区別がつきにくくなる
白内障は、タイプによっては、すりガラス越しにものを見ている状態になるので視界がかすみがちです。
また、コントラスト(明暗の対比)感度が落ち、はっきりしない色と色の区別がつきづらくなります。
たとえば、黒と濃紺、グレーと白、黄色と白などは見分けがつきにくくなります。
白内障について、カラーイラストを用いて名医がわかりやすく解説! 4章に渡って「執刀ドクターの見極め方」や「手術後のケア」など、「最新の白内障治療」の情報が紹介されています。