その数1000種・100兆個!知っておきたい3種の「腸内細菌」

「最近やせにくくなってきた」「手足のむくみが気になる」・・・。実はこうした悩みは「腸の健康」を保つことで、解決できるかもしれません。というのも腸は、食べ物を消化吸収して便を作るほか、質のよい血液をつくる工場のような役割も果たしているからです。そこで、日本で初めて「便秘外来」を開設した"腸のスペシャリスト"による話題の書籍から、「腸」が本来のチカラを発揮してくれる「1分でできるメソッド」を連載形式でお送りします。

※この記事は『医師が教える 1分腸活』(小林弘幸/自由国民社)からの抜粋です。

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その数1000種・100兆個!知っておきたい3種の「腸内細菌」 pixta_38581288_S.jpg腸内細菌が腸の働きを左右する!

腸が全身の健康や美容に影響することが知られるようになったことで、腸の力を左右する決め手として注目されているのが「腸内細菌」です。

腸内細菌は大腸に生息し、その数はなんと約1000種類、1000兆個ほど。重さにすると1.5~2㎏ほどあるといわれています。

種類ごとにグループを形成し、人間が食べた物をエサにして、お互いに助け合ったり、競い合ったりしながら共存しています。

最近、「腸内フローラ」が話題ですが、これは、顕微鏡をのぞくと多種多様な腸内細菌が密集している様相が、花畑(flora)のように見えることから名づけられました。人の顔や性格がそれぞれ違うように、腸内フローラの様態も人それぞれ。人種や年齢、ふだんの食事や生活習慣によっても変わってきます。さて、この腸内細菌、「細菌」と聞くと身体に悪いイメージがありますが、実は私たちの健康になくてはならないさまざまな働きをしているんですよ。

たとえば、食べ物を代謝して有用なエネルギーに変え、消化吸収をサポートするだけでなく、免疫細胞を活性化したり、外部から侵入した病原菌などの繁殖を防いだりもします。

腸内細菌はその働きなどによって大きく善玉菌、日和見(ひよりみ)菌、悪玉菌の3つに分けられます。

【善玉菌】
腸のぜん動運動をうながし、消化吸収を促進。免疫力を高めるなど体によい働きをする。代表的なのは乳酸菌やビフィズス菌など。

【日和見菌】
善玉菌と悪玉菌どちらにもなり得る菌。優勢なほうに加勢する。

【悪玉菌】
増えると病気や老化のもとになる毒素や発がん物質をつくり、腸内環境を悪化させる。大腸菌やウェルシュ菌(腸管や土壌、水中などに広く分布している菌)などがある。

 

それぞれによい働き、悪い働きがありますが、大切なのはバランスです。良好な腸内環境は善玉菌だけ存在すればよいというわけではありません。たとえば悪玉菌の大腸菌はビタミンの合成や感染をおさえる働きにも関わっています。

ですから、悪玉菌が増え続けると悪影響がありますが、根絶すべきものではないのです。いろいろな年齢や立場の人が共存している人間社会のような世界が、腸内でも繰り広げられているといえます。

最適な腸内環境は善玉菌2割、日和見菌7割、悪玉菌1割が理想とされ、そのバランスを良好に保つことで、腸内細菌が本来の力を発揮し、私たちの健康に貢献してくれます。

暴飲暴食や不規則な生活、さらに加齢にともなって善玉菌が減り、悪玉菌が増えていくと、日和見菌が優勢になった悪玉菌に加勢して、一気に腸内環境が悪化します。ですから、善玉菌を増やし、育てる生活を心がけることが大切です。

 

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小林弘幸(こばやし・ひろゆき)

1960年、埼玉生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経の第一人者としてプロスポーツ選手、アーティスト、文化人のパフォーマンス・コンディショニングの向上指導に携わる。また、順天堂大学に日本で初めての便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”。「聞くだけで自律神経が整うCDブック」「医者が考案した長生きみそ汁」などベストセラー多数。「ごごナマ」(NHK)や「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)など、メディア出演も多数。

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『医師が教える 1分腸活』

小林弘幸自由国民社

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この記事は書籍『医師が教える 1分腸活』からの抜粋です

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