脳卒中や心筋梗塞など、さまざまなリスクを秘めた高血圧。「男性よりも女性の方が血圧は低めだから...」と油断をしてはいませんか? 実は更年期以降の女性は高血圧になりやすく、その際のリスクは男性よりも高めといわれています。そこで今回は、東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘(いちはら・あつひろ)先生に、「塩出し食材」について教えてもらいました。
最強!! 塩出し食材
コップ1杯で200mg以上のカリウムが摂れる!
1.牛乳
牛乳にはカリウムや乳清たんぱく質、カルシウム、ビタミンDなどが含まれますが、それぞれをおのおの別の食品で摂るのに比べ、1杯の牛乳で摂る方が高血圧予防効果が高いという研究報告が。
カロリーが気になる人は低脂肪や無脂肪のものを選んで。
《牛乳で血圧が下がる理由》
(1)栄養素の相乗効果
牛乳1杯でたんぱく質やカリウム、カルシウム、ビタミンDなどを摂ることができます。
カリウム/カルシウム/ビタミンD
(2)NOが増えて血管が拡張
カリウムを含むミネラルの効果で末梢血管が広がり、血流がアップ。NO(※)が増産され、さらに血管が広がります。
※血管の内皮細胞から産生されるNO(一酸化窒素)は、別名、血管拡張ガスともいわれます。血管を拡張させ、血流を調節する作用があります。
(3)カリウムが塩分を体外へ
カリウムの作用で、塩分をどんどん体外へ排出。血圧が上がるのを防いでくれます。
(4)血圧上昇ホルモンを抑制
乳清たんぱく質が血圧を上昇させるホルモンを抑制。ミネラルとの相乗効果で、血圧が上がるのを防ぎます。
《牛乳を摂るほど最大血圧は下降》
1日に牛乳を1杯飲む人より、2杯以上飲む人の方が血圧が下がったという結果が。
※日本栄養・食糧学会誌2010.63(4).151-159