「白内障」は、70歳で90%、80歳以上はほぼ全員がかかるという眼の病気。目のレンズである水晶体が白く濁って硬くなってしまいます。見えづらくなることによって転倒や骨折しやすくなり、脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まる可能性も。今回は、二本松眼科病院 副院長の平松 類(ひらまつ・るい)先生に「目にいい栄養素ベスト4」をお聞きしました。
※この記事は月刊誌『毎日が発見』2022年8月号に掲載の情報を再構成したものです。
治療前の人も手術後の人も摂りたい
目にいい栄養素ベスト4
目の健康を保つためには食事も重要。
以下の4つの栄養素の他、ビタミンCなどもまんべんなく摂りましょう。
古い油や焦げた食品、糖分の摂り過ぎには注意を。
(1)ルテイン
目の黄斑部(視細胞が集まる網膜の中心部)に存在する、カロテノイドの一種。目に集まる特徴があり、抗酸化成分が老化の原因とされる活性酸素を除去する他、紫外線やブルーライトも吸収します。「ほうれん草などの緑黄色成分に多く含まれ、油分と一緒に摂ると吸収されやすいので、さばや練りごまなどと合わせて摂ると効果的」(平松先生)
主な食材
ほうれん草
とうもろこし
ブロッコリー
ニラ
卵黄
など
(2)アスタキサンチン
ルテインと同じく、カロテノイドの一種。強力な抗酸化力を持ち、目の老化防止に役立つ他、目を含む体の血流をスムーズにして免疫力を高めます。また、眼精疲労の回復作用も。えびやさけ、かになどの赤い部分に多く含まれています。「桜えびにも豊富なので、サラダの上にトッピングするのもいいですよ」(平松先生)
主な食材
さけ
えび
かに
など
(3)β-カロテン
ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれる栄養素。活性酸素を除去する抗酸化作用があり、目の不調全般に効果が高いといわれています。体内では必要に応じて、目の機能や体の粘膜の健康を保つビタミンAに変わります。「春の菜の花、夏のオクラ、秋のチンゲン菜、冬の春菊など、季節の野菜もおすすめです」(平松先生)
主な食材
ほうれん草
かぼちゃ
にんじん
モロヘイヤ
など
(4)DHA・EPA
網膜や脳の組織を構成する不飽和脂肪酸の一種。いわしやさばなどの青魚などに多く含まれます。血栓を溶かして血流を改善し、生活習慣病を予防する他、目に栄養を運んでくれる働きも持っています。また、「目を潤し、守ってくれる涙の質をよくする効果もあります。ドライアイの人も積極的に摂ってほしい栄養素です」(平松先生)
主な食材
いわし
さば
まぐろ
さけ
さんま
ぶり
など