ひとり暮らしは誰にとっても生きていくための基本です。現在、ひとり暮らしを楽しんでいる料理研究家・村上祥子さんは、「おひとり様ごはん」ができているか否かが、人間らしい自分を確立するために必須の条件だと言います。
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最後まで自分を支えるのは「食べ力」
村上さんいわく、「ちゃんと食べることはちゃんと生きることにつながっています。最後まで底支えしてくれるのは"食べ力"。知恵を駆使して、わが身を支える食べ力を磨き続けてください」。
多忙を極めてもひざ痛や腰痛と無縁な毎日を送りながら、もりもり、しっかり食事をします。その食事の知恵を教えてもらいました。
村上さんの冷蔵庫。「野菜を切っておく、総菜や卵、チーズを常備しておくなどすれば、ひとりでも簡単にいろいろな食品をとれますよ」と村上さん。
【村上流食養生7カ条】
1.肉をしっかり摂る
筋肉の他、内臓も血管も皮膚も骨も、代謝に働く酵素も全てたんぱく質からできています。たんぱく質豊富な肉を意識的に食べましょう。
2.自分で料理をする
認知症予防のためにも自分で作って食べることが大切です。電子レンジなど便利な調理器具を活用すれば、手間なしで料理できます。
3.糖質オフは危険
脳のエネルギーはブドウ糖。脳を働かせるために、1日に90gのブドウ糖、3食のうち1回当たりご飯90g(ブドウ糖30g)が必要です。
4.良質な油でアンチエイジング
抗酸化作用があるオリーブ油やサフラワー油。また、アルツハイマー型認知症の予防・改善にDHAを含む魚を積極的に摂ります。
5.1日に必要な野菜の量は350g
1日に350gの野菜でビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが満たせます。淡色野菜と緑黄色野菜の割合は2:1が理想です。
6.おいしく減塩する
(1)だしのうま味
(2)柑橘類や酢などの酸味
(3)薬味やハーブなどの香味
(4)上質のオリーブ油などの油のコク
の四つを駆使して減塩します。
7.健康な時の自分の体を知る
私は毎朝8時に体重を計測。増えていれば"むくみ"を疑います。自分の健康のバロメーターを持って不調の兆しに気付きましょう。
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する同大学にある「村上祥子料理研究資料文庫」で50万点の資料が一般公開されている。