「嫌だなあ」「困ったなあ」「不便だなあ」...。人は1日にストレスの元になる「嫌なこと」を3万回以上も感じているんだそう。その中で、仕事のストレスは圧倒的な割合を占めています。そこで、『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』(アスコム)から、「嫌なことを逆手にとって仕事の効率をアップさせる方法」など気になる記事を抜粋してご紹介します。
シチュエーション別嫌なこと例と対策例
ここから紹介するのは、シチュエーション別にまとめた「嫌なこと」と、その「対策例」です。
ここから紹介する例を参考に、あなたの「嫌なこと」を探して、仕事に活用してください。
【シチュエーション1 上司とのやりとり編】
「昨日、1週間後に資料を提出と言っていたのに、今日になって3日後とは......。言うことがコロコロ変わる」
対策
○上司から指示を受ける際は、最後にもう一度、今回受けた仕事の内容の確認を上司にする。
○上司も部下もいつでも確認できる進行管理ツールを作る。
○上司はどうしていつもコロコロ言うことが変わるのかを知るために、上司とのコミュニケーションを密にして、性格や関心事を知るように努める。
○自分は言うことをコロコロ変えていないか、再確認する。また気づかないうちにそうなっていることもあるので、そうなっていないか、同僚や部下に聞いてみる。
○自分の仕事力を鍛えるいい機会と考え、3日で資料を作成する。
「上司と1対1の打ち合わせ中。こちらの話をちゃんと聞かずに、渡した資料ばかりを一人で読み込んでいた」
対策
○「先に資料に目を通してください」と言って、資料を読み終えるのを待ってから話を始める。
○最初から資料を渡さないで、ある程度話が進んでから資料を渡す。
○資料を使わない打合せにする。
○誰でもついやってしまうことと考え、自分はそうしないように気をつける。
「仕事に対する指示が曖昧で、すごく抽象的」
対策
○「私の意見なのですが、その件はこういうことでしょうか」「そのテーマについて考えたのですが、このような対策をとれば良い結果が出ると思います」「許可をいただければ、さっそく始めたいと思うのですが、いかがでしょうか? できましたら、この案についてアドバイスいただけないでしょうか」など、上司の指示内容を明確にする質問をし、どんどん先導していく。
○上司の立場に立って、何が言いたいのか、どうしてほしいのか、想像してみる。自分がもし上司だったらと思うことで、自分が上司のポジションになったときの力になると思い、考える。
○自分は仕事で曖昧な指示の出し方をしていないか、再確認する。
「好き嫌いで態度を変えられた。自分は好かれてないので、厳しい態度を取られた」
対策
○なぜ自分のことが嫌いなのか考えてみる。自分の本当の気持ちは置いておいて、上司が好むような態度をあえて取ってみる。
○好かれている部下の行動を観察してみる。その中で、自分でも取り入れられるものがないか、考えてみる。
○自分は好き嫌いで人に接していないか、再確認する。
○上司も一人の人間。上司に期待せず、あきらめる。
「機嫌が悪かったみたいで、ちょっとしたことであたられた。気分屋の上司に振り回されっぱなし」
対策
○その日の上司の気分を早く察知できるよう、上司を観察する。
○その日の上司の気分を早く察知できるよう、同僚に上司の様子を聞いてみる。
○上司の気分のクセやバイオリズムを観察し、どういう時が上司の機嫌が悪いか自分なりの法則を作る。
○上司の気分の悪い日は、できるだけ上司に接しないようにする。
○自分は気分の良し悪しで行動したりしていないか、再確認する。
「上司から自分ばかり仕事をふられる」
対策
○なぜ自分にばかり仕事をふるのか考えてみる。上司の自分への思い、考えを想像する。
○「いまやっている仕事より優先させて行う必要がありますか?」「いま手が回りませんので、〇月〇日までになら仕上がるかもしれないです」などと上司に質問し、やんわりと断る。
○自分が仕事をふるときは、どうやってふるか、考える。
○部下として鍛えられていると前向きにとらえ、ふられたことをどんどんこなしていく。
「あいさつもせずに入ってきて、いきなり仕事を始める」
対策
○自分から大きな声であいさつする。
○朝は、誰かが入ってくるごとにあいさつするルールを作る。
○自分はちゃんと誰に対してもあいさつしているか、再確認する。
「どんな時でもすぐに、『ゆとり世代』とレッテルを貼られる」
対策
○上司がどの部分を『ゆとり世代』と見ているのか、聞いてみる。聞いてその部分を変えるようにする。
○自分のほうから上司に歩み寄って、いい関係を作るためのアプローチをしてみる。
○仕事のできる先輩など、見本になる人を探して、徹底してその人の仕事のやり方をマネて、もっと仕事ができる人になる。
○自分は、人にレッテルを貼らないように気をつける。
「上司だからといって、堂々と会議に遅刻してくる」
対策
○会議に参加するメンバー全員に10分前に声をかける。
○上司と一緒に会議の場所へ行く。
○遅刻に関係なく会議をどんどん進行していくというルールを作る。
○自分は会議に遅刻しないようにする。
「手柄を全部上司がもっていく」
対策
○手柄などはいくらでも上司にくれてやる、という大きな気持ちになる。その分、自分には力がついていると認識する。
○上司が出世すれば、自分も引っ張られて出世できるはずと考える。
○一流の人はそんな小さなことではくよくよしない、器の大きな人になるための練習と割り切る。
○自分が上司の立場の時は、それぞれの役割に応じた手柄を与えるようにする。
「上司にちゃんと報告したのに、聞いてないと言われた」
対策
○紙ベースで報告内容を残し、日付と上司のサインをもらうようにする。
○そんな人は反面教師だと自分に言い聞かせる。自分は同じことをしないように気をつける。
「会社の宴会で、上司からやりたくないのに一発芸を強要された」
対策
○こういうときのうまい流し方を日ごろ考えておく。
○「上司も一緒にやりましょう」など、声をかけてきた上司も巻き込み、今後はそういう声をかけにくくする。
○ひとつだけ、自分でできる芸を用意しておく。
○芸を強要されそうな頃合いを見計らって、トイレに避難する。
「自分が招集した会議で上司が爆睡していた」
対策
○爆睡している上司に質問を投げかける。
○上司が寝ている隙に、どんどん議事を進めてしまう。
○睡眠障害などの可能性もあるので、そのことを上司の上司などから本人に話してもらうようにお願いする。
【シチュエーション2 部下とのやりとり編】
「新しい仕事をと頼んだら、忙しいときっぱり断られた」
対策
○日頃から助けてもらっていることに感謝していることを部下に伝えておく。
○何が忙しいのか聞く。ただ、忙しいだけでなく、他になにか不満があるのではないか考え、部下に確認する。
○今、何の仕事をしているのかお互いにわかる管理シートを作る。
○自分は相手が不快に思うような断り方をしていないか、再確認する。
「明らかに間違っているのに認めなかった。反抗的な態度が多い」
対策
○時間をあけてから、再度丁寧に説明して間違っていることを気づかせる。
○間違っていることを認めやすいように部下を責めない話し方を心掛ける。
○間違いが大きなミスにつながるところを説明する。正しい方法を提示しながら、その違いを説明する。
「仕事でトラブルが発生していたのに、自分に報告してこなかった」
対策
○毎日1回、部下から報告を上げるようにルール化する。
○自分から細めに部下に声をかけて、何かトラブルや問題が起きてないかを探る。
○部下が報告しやすいような、報告書のフォーマットを作る。
○自分は、迷った時やミス・失敗した時こそ早めに上司に報告するようにする。
「仕事に対してモチベーションが低く、言われた仕事しかしない」
対策
○部下に仕事をふるときに、仕事の目的、背景、意義などバックグラウンドをわかりやすく伝える。
○自分の仕事のやり方と部下のやり方を比べないで、部下のいいところ、能力のあるところを探してあげる。
○過度な期待はせず、最低限やればいいとあきらめ、そういう接し方をする。
○なぜモチベーションが低いのか、言われたことしかしないのか、部下の立場で考えてみる。
「いつも仕事への愚痴や弱音ばかり言っている」
対策
○部下がどこに不満や不安を感じているか聞く。仕事の量? 新しい仕事へ不安? 人間関係? 自分への不満? など、具体的にどこに原因があるか確認する。
○その際に、部下が思っていることに共感し、部下の存在価値を認める。部下の目線になってあげる。
○自分自身の弱音や愚痴も部下に語り、お互いに弱さを共有して信頼関係を作る。
【まとめ読み】『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』記事リストはこちら!
嫌なことを書くことは客観視することのはじまりをテーマに全6章にわたって「嫌なことノート」の効果や方法を解説してくれます