「仕事をふって部下に嫌な顔された」。それを残して振り返りができれば仕事の効率がグンと上げられる。

「嫌だなあ」「困ったなあ」「不便だなあ」...。人は1日にストレスの元になる「嫌なこと」を3万回以上も感じているんだそう。その中で、仕事のストレスは圧倒的な割合を占めています。そこで、『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』(アスコム)から、「嫌なことを逆手にとって仕事の効率をアップさせる方法」など気になる記事を抜粋してご紹介します。

「仕事をふって部下に嫌な顔された」。それを残して振り返りができれば仕事の効率がグンと上げられる。 pixta_44504047_S.jpg

1日の中に「嫌なこと」はいくらでもある

嫌なことには、仕事がうまくいくヒントがたくさん隠されています。

「嫌だなあ」「困ったなあ」「不便だなあ」と思っていることは、裏を返せば、それを解決すれば仕事がうまくいくことにつながるのです。

広告代理店で働く営業のCさんに、1日にあった「嫌なこと」を書き出してもらいました。

①資料を見つけるのに30分もかかった。

午前中までにS社の新商品の販促企画を企画書としてまとめなければならなかったのですが、昨日、積み上げていた資料の一番上に置いて帰ったつもりだったS社の資料が見つかりません。

上から順番に資料を見ていってもなかなか見つかりません。

もしかすると、足下に積み上げていた資料の上だったかなと思って探しても、やはり見つかりません。

結局、S社の資料は、昨日帰り際に読んでいたビジネス月刊誌に挟み込んでありました。

資料探しに30分。

何やってんだオレ。

②ダラダラと長いメールを読まされ、イライラした。

企画書を書き終えて、ひと段落したところで忘れていた本日のメールチェック。

取引先M社の担当者からのメールを見てうんざり。

いつものダラダラとした長い文章で、最初はいつものプライベート話。

途中で読むのがバカらしくなったけど、連絡事項がどこかに書かれているはず。

結局、最後までひと通り目を通してわかったことは、「来週どこかで打ち合わせの時間が取れないか」。

それを最初に書いてくれよ、まったく。

打ち合わせはいいけど、目的が書かれてないよ、このメール。

③間の悪いタイミングで上司から呼び出された。

なんとか打ち合わせまでに企画書が間に合ったS社とのアポイント時間が迫っているときに、やってくれたのが間の悪いY課長。

打合せに持参するものを用意しているのが見えているにも関わらず、「C君、ちょっといいかな」「S社のアポがあるので後でいいですか?」「すぐに話は済むから」「ほんのちょっとだけですよ」「O社のプレゼン失敗したんだって......」。

気になっていることを突っ込まれて、思わずY課長に反論していたことで、S社に10分遅刻。

これで仕事が受注できなかったらY課長の責任だから。

④仕事をふって部下から嫌な顔をされた。

S社との打ち合わせが終わった後に帰社してからのことです。

1週間後のK社との打ち合わせのための資料集めを、営業アシスタントのH君に頼もうと思って声をかけたら、露骨に嫌な顔。

何か悪いことしたかなあ。

Y課長みたいに間が悪かったかなあ。

忙しいのかもしれないけど、いきなりそんな顔をするのはかんべんしてほしいよな。

物理的に無理なら他の人に頼むのに。

⑤足をデスクにぶつけて痛かった。

本日最後の嫌なことは、実は痛かったことです。

さあ、帰ろうと思って立ち上がって課長の席に報告書を持っていこうとしたところ、デスクの角に太ももをぶつけてしまいました。

痛いのなんの。

なんでデスクの角は、そんなに尖っているんだよ。

Cさんは1日で5つの嫌なことに遭遇しました。

「嫌なこと」の仕事への活かし方

嫌なことを書き出してもらったCさんに、今度はその「嫌なこと」をどうしたら仕事に活かせるか考えてもらいました。

「デスクの上がぐちゃぐちゃで企画書を書くための資料探しに時間がかかった」
→「資料をクライアントごとにファイリングする」

クライアントごとに資料を整理するだけで、企画書作成のために必要な資料探しがラクになります。

仕事効率は、ファイリングする前よりはるかに上がるのは間違いありません。

また、過去に資料探しに30分もかかって嫌だったとはっきり認識することで、ファイリングをすることが習慣化してきます。

「ダラダラと長い文章で、何を伝えたいのかわからないメールが届いた」
→「自分で書くメールは用件だけを箇条書きにする」

用件が明確なメールなら、送られた相手がどんな返信を求めているのかわかりやすくなります。

さらに、こちらが簡潔なメールを送ると、相手も短い文面での返信を意識してくれます。

長い文章で読むのが面倒くさいと相手に読み飛ばされる確率も低くなるでしょう。

「アポイントの時間が迫っているときに、上司に呼び止められて、結局10分遅刻した」
→「自分は声をかけるときには、相手の状況を確認する」

相手の仕事のタイミングを見計らって声をかけると、相手は快く耳を傾けてくれます。

冷静に聞いてくれると、誤解されることも少なくなります。

相談事なら、真剣に考えてくれることにもなるでしょう。

「部下に頼みごとをしたら嫌な顔をされた」
→「人に頼みごとをされたら、自分はまずは笑顔で内容を聞く」

笑顔で対応するだけで頼む側は気持ちよく内容を話すことができます。

内容によっては断ることもあるでしょうが、仮に断ることになっても、相手も「無理言ってごめんね」という気持ちで受け入れることができます。

「デスクの角に太ももをぶつけて悶絶した」
→「太ももをぶつけても痛くないように角にクッションをつける」

太ももをぶつけても痛くないようにするには、他にもいろいろ考えられます。

角を丸くする、角に保護材をつける、テーブルの素材を軟らかいものに変える、テーブルのデザインそのものを変える。

Cさんの仕事とは直接関係ないかもしれませんが、新しい商品のアイデアになるかもしれません。

Cさんの対策がベストとは限りませんが、嫌なことをヒントに、仕事力が向上するアイデアが生まれたのは確かです。

ここであげた5つの対策をすべて実践できるようになると、Cさんは5つもスキルアップすることになります。

ひとつひとつは小さいことかもしれませんが、毎日同じことを続ければ、1ヶ月でなんと、150個。

たった1カ月間で、見違えるほどの成長ができるのです!

【まとめ読み】『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』記事リストはこちら!

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嫌なことを書くことは客観視することのはじまりをテーマに全6章にわたって「嫌なことノート」の効果や方法を解説してくれます

 
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『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』

(嫌なことノート普及委員会/アスコム)

松下幸之助など大企業の経営者が「嫌なこと」を集め、改善することで大きな成功を得たことは有名な話です。例えば、嫌なことをノートに書くと怒りやストレスが軽くなります。それはその出来事を客観視できるからです。そんな日常の嫌なことを活用して仕事の効率を上げたり、コミュニケーションを円滑にしたりする方法が書いてある参考書です。嫌なことも捉えようによっては楽しく生きられるヒントが詰まっています。

※この記事は『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』(嫌なことノート普及委員会/アスコム)からの抜粋です。
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