念願のマイホームを購入したはいいけど...ついお金もかかるし、ほったらかしにしていませんか? 「家も人間と同じようにメンテナンスが必要です」。そう語るのは、家のアンチエイジング専門家・山下隆盛さんです。その山下さんの著書『あなたの持ち家が危ない』(アスコム)には、「自宅を補助金などを使って効率的にメンテナンスすることで結果的に老後の暮らしが豊かになる」などの家情報が満載です。そこで、その著書より「老朽化の原因」「外壁補修のタイミング」「リフォーム業者の選び方」などをご紹介します。
インスペクション(住宅の劣化や不具合の状況の調査)で補助金を有効に利用する
リフォームする際に、最大300万円の補助金も
家のメンテナンス計画を立てたり、中古住宅を売買したりするときのほかにも、インスペクションを行うことにはメリットがあります。
インスペクションを行うことで、国から補助金を得て、家のリフォームをすることができるのです。
それが、長期優良住宅化リフォーム推進事業です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業では、質の高い住宅を増やし、中古住宅の流通を促進するとともに、子育てしやすい環境の整備を図ることを目的としています。
そのため、既存住宅の長寿命化や三世代同居など複数世帯の同居の実現につながるリフォームに関し、その費用の一部を支援してくれるのです。
戸建て住宅の場合、補助の要件は、大きく分けて3つあります。
・リフォーム後、一定の性能向上が認められる
・性能向上リフォームなど、所定の工事を行う
・インスペクションを実施し、住宅履歴情報、維持保全計画を作成する
そして、補助の対象となるのは、次の費用です。
・性能向上リフォーム工事に要する費用
・三世代同居対応改修工事に要する費用
・良好なマンション管理対応工事に要する費用
・インスペクション、住宅履歴情報の作成、維持保全計画の作成等に要する費用
これらの費用のうちの1/3の金額が補助されることになります。
リフォームの内容、補助金の限度額をあとのページにまとめました。
リフォームの内容によって、3段階で補助金の額が変わってきます。
どのタイプについても、あわせて三世代同居対応改修工事をすることで、補助金限度額がさらに50万円上乗せされます。
これらのタイプに当てはまらず、住宅性能が認定基準や評価基準に適合しなくても、代替措置によって同等の性能などを提案することが
できるリフォームについては、補助が認められることもあります。
これが「提案型」といわれるものです。
「提案型」の限度額は、提案内容に応じて100万円/戸(150万円/戸)、または200万円/戸(250万円/戸)となります。
ただし、この「提案型」は、交付申請に先立って公募期間中に応募し、審査に合格しなければいけません。
リフォームで補助金を受けたいなら、まずは業者に相談を
長期優良住宅化リフォーム推進事業で補助を受けるための要件には、内容に少々複雑なところがあります。
たとえば、「リフォーム後、一定の性能向上が認められる」という要件を表の評価基準型に当てはめると、劣化対策、省エネ性、耐震性については評価基準に必ず適合していなければなりませんが、維持管理・更新の容易性に関しては適合していなくてもよいのです。
また、「性能向上リフォームなど、所定の工事を行う」という要件にも、細かなルールが定められています。
性能向上リフォーム工事には、劣化対策、耐震性、維持・更新の容易性、省エネ性を一定水準まで高める「特定性能向上工事」と、インスペクションで指摘を受けた外壁、屋根の工事、バリアフリー化工事などの「その他の性能向上工事」が含まれます。
ところが、「その他の性能向上工事」によって住宅性能が高められても、必須項目が評価基準に届かないと、補助の対象とは認められないのです。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は要件の内容が複雑なばかりでなく、申請期限や工事時期なども定められているので、補助制度の利用を検討している人は事前にリフォーム業者と相談し、最新の情報を確認しておく必要があります。
いずれにしても、長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助制度を利用するためには、インスペクションを受けることが必須です。
インスペクションを最大限に有効活用しましょう。
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