家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
用意すること、確認事項を整理しておく
リフォームを決めたら、相談したい会社を探し、次は具体的な準備をすることになります。
たとえばお家は定期的なメンテナンスが必要です。
今回は長持ちさせるための修繕になるのか、それとも子どもたちの独立を機に間取りを変更したいのか、安全に暮らすために耐震補強をしたいのか......など、家族の考えをまとめておきます。
そして予算はいくら位まで大丈夫なのかをきちんと決めておくことも重要です。
他にも、何を準備するのか、何を確認しておくのかを整理しておくと相談しやすくなります。
リフォーム会社からの質問にキチンと答えるために
あらかじめ確認していただきたいことを戸建ての場合とマンションとに分けて下にまとめました。
それぞれ調べて確認しておくと話がスムーズですのでご活用ください。
初めてのリフォームではとまどうこともたくさんあると思います。
事前にご自宅のことを把握し、家の不満や不便を家族で話し合ってまとめておくことをおすすめします。
お客様に満足していただくリフォームをするためにもリフォーム会社はお客様にたくさんの質問をします。
事前の準備をしっかりして後悔しないリフォームをしましょう。
打ち合わせに備える!「事前確認セルフチェック項目」
●戸建ての場合
Q「築何年ですか?」
A⇒昭和56年(1981年)以前に建てられた建物は、耐震の観点から早めのご検討をおすすめする。
Q「図面はすべてありますか?(配線、配管を含む)」
A⇒図面があればおおよその建物の構造がわかるのでリフォーム会社は助かる。
Q「図面と建物は同じですか?(変更していないか)」
A⇒増改築(リフォーム)をしていると元々の図面とは違うため確認が必要になる。
Q「中古で購入の場合、不動産売買時、または契約時に重要事項説明書がありますか?」
A⇒中古住宅を購入された場合の瑕疵保険を含めた契約の内容を確認したいため。
Q「今までリフォームをしたことがありますか?」
A⇒今までのリフォームの情報を得ることで問題点や心配箇所を確認するため。
Q(ある場合)「今回はそこに依頼しないのはどのような理由ですか?」
A⇒お客様が不満に思うところをリフォーム会社が改善できるかを確認するため。
Q「この家にずっと住み続けますか?」
A⇒「終の棲家」と考えている場合、10年後、20年後を考えたプランを提出。部分ごとのリフォームをすると全体を見たときに統一感がなくなる。最初から全体を考えてのプランニングが必要。
Q「いずれは他のところへ行く事を考えていますか?(田舎・マンションなど)」
A⇒その場合、費用をあまりかける必要がないと思われるので確認する。
Q「今回リフォームを考えられたきっかけは何ですか?」
A⇒きっかけを知ることにより、リフォーム会社はプロとしてのアドバイスや提案をする。
Q「今の自宅で不満なところはどこですか?思いつくまますべて教えてください」
A⇒家への不満があると、毎日ストレスを抱えて生活することに。お客様に健康で快適な生活をしていただくためにも、リフォーム会社としてはなるべく多くの不満をあらかじめ伺いたい。
Q「いちばん最初にリフォームしたいところはどこですか?」
A⇒優先順位を決めて、施主としてやりたいことをはっきりさせる。
Q「また、それはなぜですか?」
A⇒困っていることや不満なことをまず解決して快適な暮らしを送る。
Q「家族構成は今後変わる予定はありますか?」
A⇒住む方の年齢や家族構成に合わせて、住まいも変化が必要なため。
Q「ご予算はどのくらいですか?また住宅ローンは残っていますか?」「残っている場合、あと何年残っていますか?」
A⇒リフォームは金額も大きくなる場合が多く、リフォーム会社としては予算と合わせて確認したい。
Q「他社にも声をかけていらっしゃいますか?」「すでに見積りを頼んでいる、もしくはもらっていますか?」
A⇒相見積りで検討したい理由を確認することで、リフォーム会社として相見積りで比較してほしいところを伝えることができるため。
Q「新築したときの会社名(メーカー名)を教えてください」
A⇒メーカーにより工法が異なる。さまざまな工法があるのであらかじめ確認したいため。
Q「工事にあたって駐車場が必要になりますが、2~3台分の駐車スペースの確保は可能ですか?」
A⇒工事中は現場監督や職人さんの工事車両を止めることに。リフォーム会社としては十分に配慮するものの、とくに搬入時は家の前にしばらく車を置くことになり、近隣の方にご迷惑をおかけする場合があるため。
●戸建て・増改築の場合
Q「土地の所有者はどなたですか?」「建物の所有者は誰ですか?」「建物の登記名義人は?所有者と同じですか?」「建築確認検査済証はありますか?」
A⇒上記の質問は必要な場合に確認。
●マンションの場合
Q「共有部分についてはリフォームが不可能となりますが、ご理解されていますか?」
A⇒リフォームできるのは専有部分のみ。マンションの管理規約で決められているのであらかじめ確認が必要。
Q「基本的に水廻りを動かすのは難しいと思いますが、理解されていますか?」
A⇒排水勾配の問題で排水がうまくできない場合があり、水廻りの移動には制約がある。
Q「工事を進めるにあたって、近隣の同意が必要になりますが、協力していただけるでしょうか?」
A⇒工事の間は、機器や木材、廃材の運搬や工事の音でご迷惑をかける。リフォーム会社として工事が始まる前に近隣の方に挨拶に伺う。
Q「近隣にお住まいの方で音に敏感な人がいらっしゃいますか?いらっしゃれば説得可能ですか?」
A⇒解体や取り付けなど、工事の間は大きな音で上下左右のお宅に迷惑がかかる。病気で療養されている場合などは注意が必要。
Q「工事にあたって駐車場が必要になりますが、2~3台分の駐車スペースの確保は可能ですか?」
A⇒工事中は現場監督や職人さんの工事車両を置かせていただくことに。そのため、施主が駐車スペースの確保に協力していただく場合がある。
Q「工事時間が管理組合により決まっていますか?」
A⇒一般的には平日の9時~17時(土・日・祝日以外)。工事可能な時間が短いため工期が余分にかかるが、承諾いただけるかどうか。
Q「管理規約はありますか?」
A⇒マンションによって、規約が異なるため、確認しておく必要がある。
Q「部材を室内に運ぶ場合にエレベーター等を利用すること(中はきちんと養生します)は可能でしょうか?」
A⇒一般的には、管理組合等にエレベーターの使用について確認が必要。施主が確認する。
Q「工事中、職人さんたちがトイレをお借りすることがありますが、了解いただけますか?(その場合、きちんと清掃いたします)」
A⇒マンションの共有トイレがない場合、お客様(施主)の協力が必要になる。
Q「区分所有者の名義人は誰ですか?」
A⇒リフォームの依頼者と所有者が同じかどうか、確認するため。
〔全体の解説〕
相談時にリフォーム会社から聞かれることは主だったところで上記。
会社によって、またリフォームの内容によって、質問の内容は異なるが、あらかじめ答えを用意しておくと、最初の打ち合わせもスムーズに進む。
【まとめ読み】『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』記事リストはこちら!
全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています