コレクター夫を激変させた「家庭内預かりサービス」。断捨離のやましたひでこさんが考える「定年後の夫婦関係」

人生の大転換期である「定年」。その後の暮らしが不安と言う方も少なくないでしょう。そんな人生の後半を楽しむためには、生活空間にあるあらゆるモノを点検し、先の人生を共にしたいモノを選び抜くことが重要だと「断捨離」の考案者・やましたひでこさんは言います。そこで、やましたさんの著書『定年後の断捨離~モノを減らして、愉快に生きる』(大和書房)から、「不要・不適・不快」を捨てて、「要・適・快」を招き入れられる「人生の断捨離」のヒントを連載形式でお届けします。

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定年は、夫婦関係が変わる大チャンス

結婚して数十年、夫婦で役割分担しながら時を過ごしてきます。

定年を機に、その固定化された夫婦関係をリセットするのはたやすいことではありません。

夫の定年退職を機に、「私も主婦を定年退職します」と宣言する妻がいました。

この夫婦は固い信頼関係もありスムーズに役割が移行しましたが、通常、こうした言葉は夫にとって青天の霹靂です。

ふたつ返事で了承するはずがありません。

特に亭主関白タイプ、家庭内管理職タイプの夫に対しては、妻は言い出しづらいものです。

かといって、不平不満を飲みこんで、夫に口を閉ざしてしまっては、事態は変わりません。

「うちはそういうことは言えない夫婦関係なんだ」と認識したうえで、「じゃあ、どうする?」とその先を考えなくてはなりません。

かつて断捨離大賞をとった受講生さんは、考え方のちがう夫と徹底的にぶつかった勇敢な女性です。

彼女の夫は、趣味のモノを集めるだけ集めるコレクターでした。

部屋に入りきらず、外に買った倉庫もいっぱいですが、それでも買い続けるタイプです。

真空管ラジオ、絵画、クラシックCD全集から縄文土器のかけらまであり、「マンション最上階から土器が発掘された!」と笑い話になるほどです。

断捨離に日々励んでいた彼女は、夫に断捨離の提案をしますが、聞く耳を持ってもらえません。

それどころか「断捨離は、僕にはムリな思想だ」とますます頑固になり、不機嫌で口もきかなくなりました。

そんな夫に対して、増えていくモノに対して、ストレスはつのるばかり。

それでも、彼女はあきらめませんでした。

時に「なんでわかってくれないの!」と吠え、時に悔し涙を流し、ぶつかりながらも話し合ったのです。

夫の心を動かしたのは、夫の趣味のモノを全肯定し、使っていないモノを預かる「家庭内預かりサービス」というアイデアを提案したことです。

こうして夫は徐々に変わっていきました。

妻が自分の人生と向き合い、何かを変えたいと思うとき、夫婦でひと悶着あるのは当然です。

妻は家出の1つもするくらいの覚悟が必要かもしれません。

そうはせず夫に何も言い出さないのは、要するに、損か得かを考えているのです。

これまで我慢しながらも結婚生活を続けてきたのだから、これからもそれを淡々と続けていけばいい、と。

「今の生活がおびやかされるよりは、まあマシか」という選択をしながら、人生が過ぎていきます。

人生100年と考えたら、この先30年、40年それが続きます。

もしもストレスの根本原因が家の中にあったら、見ないふりをして生きていきますか?

そうやって心を麻痺させて生活していくうちに身体までも病んでしまうことがあるのです。

定年は、夫婦関係を含めて人生と向き合うチャンスです。

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081-H1-teinengodansha.jpg流行語にもなった「断捨離」の著者が移住先の自宅を初公開。常識に縛られない「断捨離」の考え方や実践法が詰まっています

 

やましたひでこ
東京都出身。早稲田大学文学部卒。学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常生活の「片づけ」に落とし込み、自己探訪メソッドを構築。初著作『新・片づけ術 断捨離』(マガジンハウス)を刊行以来、著作・監修を含めた多数の「断捨離」関連書籍がアジア、ヨーロッパ諸国でも刊行されている。

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『定年後の断捨離~モノを減らして、愉快に生きる』

(やましたひでこ/大和書房)

よりよい人生のために、定年後の不安を抱えているすべての人に贈る「大人のための断捨離」本。定年後は「これまでの常識」を断捨離して、残りの人生を前向きに生きる術が書かれています。一度しかない人生だからこそ、主婦も定年宣言をして、自分らしさを取り戻すきっかけに。

※この記事は『定年後の断捨離~モノを減らして、愉快に生きる』(やましたひでこ/大和書房)からの抜粋です。

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