仕事で転勤や異動、自分や家族が病気を患うなど、人生の転機を迎える可能性が高い中年期。急な報せに焦るかもしれませんが、うまく乗り越えれば残りの人生を有意義に過ごすチャンスにもなります。そこで、『自分らしく生きる! 40代からはじめるキャリアのつくり方:「人生の転機」を乗り越えるために』(石川邦子/方丈社)から、女性が抱えるライフキャリアの悩みとその解決方法について、連載形式でお届けします。
経験の「点」を「線」につなげる
時系列で起こった出来事や経験を整理していくと、それぞれの小さな出来事である「点」が「線」になってつながっていくように感じられます。
そのときは、無駄に思えることや意味がないように感じることも、時間が経って振り返ることで、つながりが見えてきてこれからのことを考えるヒントになります。
また、振り返ることで、自分の成長が確認できるのも大切なことです。
楽しい経験もつらい経験も、自分を成長させるために必要な経験だったと捉えることができれば、将来のことも前向きに関心が持てるようになります。
振り返るときに、その時々でモチベーションはどのように変化したか、そこに共通項はあるのかを整理してみることが大切です。
ある方はこの整理で、上司が変わるたびにモチベーションが変化していたことに気づかれました。
また、時系列に整理することで、節目が見えてくるかもしれません。
節目で何を選び、何を選ばなかったかを整理することができます。
このような整理をすることで、自分の「内的キャリア」が明確になるのです。
たとえば私の場合、次のような出来事が「点」となります。
- ・最初受けた企業に不採用になる
- ・「手に職を」と考え「丸栄計算センター」に就職する
- ・母が子宮癌で亡くなる
- ・職場で問題児のレッテルを貼られる
- ・福岡へ長期出張に行く
これらの「点」がすべて「線」となってつながり、23歳で管理職になる布石となったように感じます。
良い出来事もあれば、悪い出来事もありますが、それは将来にとって何らかの意味のある出来事としてつながっていく。
このように考えるようになってから、何か思うようにいかないときも「きっと、何か意味があるのだ」と考えるようになりました。
たとえば、「タイミングが早すぎる」とか、「少し自意識過剰になっているから謙虚になるべきだ」とか、何か意味があって「今は」思ったようにいかないだけなのです。
だから無理に推し進めるのではなく、焦らず足跡を振り返ってみる時間を持ってみましょう。
そうすると、長い人生の中で何をそんなに焦っていたのかと気づけることが多くあります。
みなさんも、思うようにことが運ばないときほど、ひと呼吸ついて自分の経験を振り返ってみてください。
頑張ってきた自分や成長した自分が見えてくるでしょう。
そして、たまには自分を褒めてあげることで、また明日から頑張れるのです。
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