お金を貸していた友人が突然死! 貸したお金は返ってくるの?/法律・税金で悩んだらプロに相談

今回は、友人にお金を貸したことについての相談です。お金を貸した人が急になくなってしまった場合、どうしたらいいのでしょうか? 弁護士の林知宏先生に対処法などをお聞きしました。

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【相談】
友人が事業を続けるのに必要ということで100万円貸したのですが、先日、友人が突然亡くなってしまいました。友人には奥さまとお子さんが1人いるようですが、貸したお金は返ってくるのでしょうか。(女性58歳)

 

林先生の【お答え】
奥さまとお子さまに50万円ずつ請求できます。ただし、お二人が相続を放棄していた場合は、他に相続人がいないかどうか調査する必要があります。

本来、お金を貸した場合、貸した人から借りた人に対して、お金を返してもらう権利が発生します(借用書を交わさず口頭だけでも、その権利は発生します)。ただ、今回のように借りた人が亡くなった場合、お金を返してもらう権利は、どうなるのでしょうか。

まず、遺言書を作成しないまま亡くなった場合、その人の有していた財産は、原則としてプラスのものもマイナスのものも、相続人が法定相続分に従って相続することになります。亡くなった人に奥さまとお子さまが1人いる場合、法定相続分は、それぞれ2分の1となります。そのため、友人があなたに負っていたお金を返す義務(マイナスの財産)は、奥さまとお子さまがそれぞれ法定相続分に従って、2分の1ずつ相続することになり、あなたは、奥さまとお子さまに、それぞれ50万円を返すよう請求できます。

ただ、あなたの友人があなた以外に金融機関や他の人からも借り入れを行っているなど、プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合には、注意が必要です。というのも、先ほど述べたとおり、マイナスの財産も相続の対象になりますので、亡くなった人にプラスの財産がなく(あるいは少なく)、マイナスの財産が多い場合、その人の相続人の中には、財産の相続を望まない方がいてもおかしくありません。そのため、法律上、亡くなった人の財産を相続しないことにできる制度が認められています。この制度を相続放棄といいます。

そして、相続放棄がなされると、相続放棄をした人は初めから相続人ではなかったことになります。この相続放棄の具体的な手続きは、自分のために相続があったことを知ったときから3カ月以内に、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをする方法によって行います。

以上のことから、あなたが友人に貸したお金を返してもらうためには、まず、先ほど述べた所定の期間内(3カ月以内)に奥さまとお子さまが相続放棄をしたかどうかを確認することになります。相続放棄をしていなければ、奥さまとお子さまに対して、それぞれ50万円を請求することになります。

これに対し、相続放棄をしていれば、奥さまとお子さまが初めから相続人ではなかったことになり、友人の他の親族が相続人になっている可能性が生じますので、奥さまとお子さま以外の相続人を調査することになります。ただ、この相続人調査は簡単に行えないため、もし、相続人が分からない場合は、法律の専門家に相談することをおすすめします。

 

※「法律・税金で悩んだらプロに相談」そのほかの回はこちら。

 

<教えてくれた人>
林 知宏(はやし・ともひろ)先生

弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所東京事務所所属。企業法務をはじめ、個人から依頼を受けて相続、交通事故、離婚、刑事事件など幅広い案件を担当している。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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