実家の不動産の権利証をなくしてしまいました/法律・税金で悩んだらプロに相談

不動産の権利証の紛失してしまった場合、どうしたらいのでしょうか。「使用する機会がほとんどないですから、なくしてしまったという相談はよくあります」と、司法書士の小脇盛先生。権利証に関する説明と、なくしてしまった場合の対応を教えてもらいました。


実家の不動産の権利証をなくしてしまいました/法律・税金で悩んだらプロに相談 pixta_40472186_S.jpg【相談】
先日の帰省時、父が実家の不動産の権利証をなくしていることが判明しました。実家の不動産を取得したのも何十年も前の話...頑張って探しましたが見つかりません。とても重要な書類と認識していますが、どうすればいいのでしょうか? 法務局で再発行をお願いできるのですか? (女性59歳)

 

小脇先生の【お答え】
なくしても、困ることは多くはありません。
ただし売却時などは手続きが煩雑になります。

まず、権利証とは、法的には「登記済証(とうきずみしょう)」という名称の書類で、不動産を取得した際に法務局から交付される書類です。その不動産の所有者であることを証明するための確認書類として使用されることから、一般的には「権利証」と呼ばれています。

ちなみに、2004年の法改正により、約10年前より(法務局により時期は異なります)不動産を取得した場合には、登記済証に代わり「登記識別情報」という英数字の組み合わせによる番号が発行されるようになりました(ここでは、登記済証と登記識別情報を合わせて「権利証」と呼びます)。

権利証は、不動産を取得してその登記の際に、一度だけ発行されるものであり、再発行は例外なく不可能です。ですから、まずはなくさないよう心がけましょう。

また、権利証をなくしてしまった場合でも、直ちに困るような事態とはならないことが多いです。権利証を使用するのは、その不動産を担保にお金を借りたり、売却したりするなど限られた手続きをするときだけだからです。売却などをするときでも、「権利証がない=売却ができない」ということもありません。

ただし、権利証がないまま売却手続きを行うには、通常の手続きに加えて、司法書士や公証人を介した手続きが必要となり、手間と費用がかかりますので、なくさないに越したことはありません。

権利証の紛失が、もしも盗難であったとしても、実印や印鑑証明書と一緒に盗まれた場合でない限り、不正な登記手続きが行われてしまう可能性は低いでしょう。心配な場合は、警察に届け出た上、法務局において「不正登記防止申出」(不正な登記が行われる可能性があることを法務局に申し出ておく)の制度を利用することをおすすめします。もし権利証が登記識別情報であれば、情報を失効させることも可能です(ただし復活はできないのでご注意ください)。

以上、権利証はなくしてしまっても正しく対処ができれば問題は起こりにくいですが、重要な書類です。大切に保管して、いざというときに保管場所が分からなくならないように注意しましょう。また、この方のようになくした場合で、売却などを行う際は司法書士などの専門家に相談されるといいでしょう。

 

※「法律・税金で悩んだらプロに相談」そのほかの回はこちら。

 

 

<教えてくれた人>
小脇盛(こわき・しげる) 先生

司法書士。東京司法書士会所属、司法書士小脇事務所所長。個人からの依頼による相続や遺言の相談をはじめ、不動産登記・商業登記や債務整理から成年後見まで幅広い案件を担当。

この記事は『毎日が発見』2019年12月号に掲載の情報です。

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