親が70歳過ぎたら介護はいつ始まってもおかしくない! うまく乗り切るための準備が必要です

ご両親が元気なうちは、「介護なんて当分先のこと」と他人ごとのようにお考えの方も多いでしょう。しかし介護は突然やってきます。想定もしなかった事態に戸惑い、余計な負担まで背負い込んだ結果、心身の健康を害してしまうこともあるのです。突然の事態に動揺しないためにも、いまから準備をしておくことが大切です。

そこでうまく乗り切るための心構え、準備しておくべきこと、介護サービスを受ける方法、介護サービスの仕組み・精神面・金銭面のアドバイス、予防などについて、淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博先生に教えていただきました。

 
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介護はいつかではなく、「明日始まる」つもりで心構えを

介護はどのように始まると思っていますか?「介護は、年を重ねて体が不自由になり徐々に必要になっていくもので、両親や配偶者が元気なうちは遠い先の話」と思っている方が多いでしょう。しかし残念ながら、介護はある日突然やってきます。もしかしたら、明日起こるかもしれないのです。

T家の休日の朝のこと。奥さんがごはんの準備をしていると、通常なら6時に起床するご主人がなかなかリビングに来ませんでした。おかしいなと思った奥さんが寝室に行くと、ご主人はまだ寝ていました。休日だし疲れているのかと思い、そのままにしました。さらに2時間後に寝室へ行き、体を揺り動かしても反応がなく起きませんでした。異変を感じて、救急車を呼び、大学病院へ救急搬送すると脳梗塞でした。発見が遅れたことから、寝たきりとなり、介護が始まったのです。

このように脳梗塞や心筋梗塞、認知症をはじめさまざまな病気を突然発症し、昨日まで元気だったのに急に寝たきりや車いすになり、要介護状態になることもあるのです。

 
常に周辺にアンテナを張って、介護に関する情報を入手しておく

では、突然起こるかもしれない介護をうまく乗り切るにはどうしたらいいのか、ポイントをお教えします。

基本的に70歳を過ぎたご両親・配偶者がいたら、介護はいつ始まってもおかしくないという心づもりでいましょう。そのためにも、常にアンテナを張って、普段から介護に関する仕組み、施設、金銭などの情報をさまざま収集しておくことが大切です。理想的なのは、家族みんなで情報を得て共有しておくことです。そうすれば突然の事態にも困惑することなく対応することができます。

また、いちばん危険なのが、「自分はいつまでも元気だ」「介護なんて縁起でもない」と考えているご両親です。いざ、介護となったときに、ご両親ときちんと話し合いができていないと家族間でいろいろな問題が生じてしまいます。例えば、2人子供がいた場合、どちらがどれだけ介護費用を支払うのか、親の面倒をみるのかなどで、兄弟喧嘩から二度と会わないといった最悪な事態を招いてしまったケースはたくさんあります。そうならないためにも、介護となったときにどうするかについて話し合っておきましょう。

 
ご両親と離れて暮らしている方は、帰省して家の中の状況を確認

仕事の関係などで、ご両親と別々に暮らしている方がいらっしゃると思います。その場合、帰省した際に家の中が普段と変わりないかチェックしましょう。月に1回が理想ですが、せめて1年に2~3回は帰るようにしましょう。たった3カ月あけただけで家の中がゴミだらけになっていた、荒れていたことから認知症が発覚して介護が始まることも多いのです。また、近所にご両親と仲のいい方がいらっしゃれば、異変を感じたら、すぐに電話してもらうようにするのもいいでしょう。

 

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結城康博(ゆうき・やすひろ)先生

1969年生まれ。淑徳大学総合福祉学部教授(社会保障論、社会福祉学)、経済学修士、政治学博士。社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士の有資格者。地方自治体に勤務、介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護部署などの業務に従事。テレビ、新聞、雑誌など多岐にわたり活動中。新刊『突然はじまる! 親の介護でパニックになる前に読む本』(講談社)など著書多数。

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