なんと65歳以上の約4人に1人が認知症または予備軍!/認知症予防(1)

pixta_15307511_S.jpg認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。


認知症の前段階からの予防と治療が大切!

日本には現在、認知症の人が462万人、軽度認知障害(MCI)の人が400万人と推定され、合わせると 65 歳以上の約4人に1人が、認知症またはその予備軍ということになります。

「いまや身近な病気である認知症ですが、"治らない病気""認知症はこわい"といった過剰な認識が、蔓延(まんえん)しています。認知症にはさまざまなタイプがあり、中には適切な治療をすることで治るものもあります」とは、鳥取大学医学部教授で日本認知症予防学会理事長の浦上克哉先生。

認知症が起こる過程には、前段階(予備軍)とされる軽度認知障害(MCI)があります。正常と認知症との中間で、日常生活に支障はありませんが、 放置すると認知症へと移行します。 従って、MCIの人が認知症にならないための対策が必要です。

「2003年に始めた鳥取県琴浦(ことうら)町での取り組みでは、健康な高齢者を対象に認知症検診を行い、認知症の疑いがある人は専門の医療機関へ、 MCIの人は認知症予防教室へと通っていただきました。その結果、大きな予防効果を確認できました」(浦上先生)。MCIから認知症への移行を防ぐことは、介護保険費用の削減にもつながります。近年は、認知症検診を利用した予防の取り組みが、 全国へと広がっています。

日本認知症予防学会が考える予防とは、第1次予防=病気の発症予防、 第2次予防=病気の早期発見・早期 治療、第3次予防=病気の再発予防、 進行防止の三つ。「これからの認知症対策は、"認知症予防ができる町づくり"がスローガンです。医療・福祉に携わるあらゆる人々が参加し、活動しています」(浦上先生)。

いまや認知症は、治らない病気ではありません。「認知症は、他に比べて極めて穏やかな病気。早期発見のチャンスはいくらでもあります。 全体像を正しく知ることが大切です」(浦上先生)。

 

次の記事「認知症ってどんな風に進行するの?/認知症予防(2)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美)

<教えてくれた人>
浦上克哉うらかみ・かつや先生
医学博士。鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保 健学分野教授。日本認知症予防学会理事長。認知症診断・予防の第一人者。『認知症&もの忘れはこれで9割防げる!』(三笠書房)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。
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