隣の芝生は青く見える......と思っていたら、意外とうちの芝生のほうが青いのではないか!? 「そうそう、そうなのよ」とうなずきたくなる相談から、驚き、びっくりな悩みまで、いろいろあります夫婦って。
定年後の夫婦問題はもとより、子ども世代や孫世代にリアルに起きている夫婦のさまざまな問題を夫婦問題カウンセラーの立木ミサさんと一緒に考えます。
Q. 夫は「定年後は起業したい」と言います。
私は60歳を過ぎたら穏やかに暮らしたいので困っています。
夫は長年サラリーマンでしたが、定年退職後、自分の趣味を生かして起業を目指しているそうで、詳しい内容は教えてくれません。「ここまで家族のために頑張ってきたのだから、この先は好きにさせてくれ」と言います。私は定年後は、新たなことにチャレンジするよりも、少しのんびりとした時間を持てる暮らしがしたいと思っています。ですが、夫は退職金の半分は起業に充てるつもりだそうで、私は老後資金の一部にしたり、旅行に出かけたりしたいと考えていました。今まで特に夫婦問題が起きたことはないですが、ここに来て、老後に描いている夫婦像の違いに、夫と一緒にやっていくのが不安になりました。(59歳・パート勤務)
A. いくつになっても、どんな夫婦でありたいか、ということはふたりで決めていくことです。
定年後、起業したいと考える夫----。意外と多いです。アクティブシニアが増えている証拠でもあります。ですが、妻の側は、サラリーマン生活に終止符を打ち、そのまま穏やかに過ごしてほしい、そんなふうに考えている方も多いようです。そこで、「この先、この人と一緒にやっていって大丈夫なのか?」という夫婦問題が浮上します。
人生の半ば、50歳前後の男性は、「俺の人生これでいいのか」とふと立ち止まり、起業や転職、場合によっては浮気といった問題が起きることがあります。これは「中年の危機(ミッドライフクライシス)」と言われます。最近では60代以降も元気なシニアが増え、いつまでも現役でいたい、いや、むしろ「もっと何かができるはず」という人も多いようです。妻として、「応援するわ」と言えるのなら問題にはなりませんが、リタイア後の互いの未来図が違うとやはり夫婦問題です。
ある夫は定年後、借金をしてもそば屋を開きたいと言い出しました。妻は反対です。もしも借金が返せなかったら、苦労を共にしなければなりません。今まで4人のお子さんを育ててきて苦労がなかったわけではありません。だったら離婚もありなのではないか、と妻は悩んでいました。
定年後の夫婦の未来図は、一度はちゃんとすり合わせをしたほうがいいです。どんな生活、どんな夫婦、どんな未来を作るのか。もしも未来図が違ったら、どこか歩み寄れるところはないのか、また経済的なことも限りがあるので、そこも視野に入れて話し合うことが必要です。
<まとめ>
夫婦の最終章。同じ未来図でしょうか。