2012年に行われた葬式についてのある意識調査では、6割以上の人が家族や友人だけの簡素な葬式を希望していると結果が出ました。
誰しもが迎える最期の時。送る側も送られる側も悔いない時間となるように、第一生命経済研究所主席研究員の小谷みどりさんに、今後増えていくであろう葬式の在り方などを伺いました。
自分の葬式について考えていますか。縁起でもないことですが、少しだけ想像してみてください。「自分の葬式はこぢんまりにして、親の葬式は盛大にしたい」という人もいるでしょう。一方で親世代も、子どもに迷惑をかけたくないので簡素な葬式を望む人が増えています。
6割以上の人が家族や友人だけ葬式を希望しています
葬式や墓について25年にわたり研究している、第一生命経済研究所主席研究員の小谷みどりさんが、2012年に葬式についての意識調査を実施しました。それによると、自分の葬式は「身内と親しい友人だけでしてほしい」と回答した人が33.1%、「家族だけでしてほしい」と考えている人が30.3%となり、6割以上の人が家族や友人だけの葬式を希望するという結果が出ました。小谷さんは「この割合は、今後も増えていくでしょう」と話しています。
見栄や世間体にとらわれない葬式を考えることが大切です
高齢で亡くなった場合、列席する関係者も限られ、身内だけの葬式になるケースがあります。「盛大な葬式をあげたいと思う気持ちの裏には、あそこのうちは金持ちなんだなどと世間に思われたいという気持ちがないとはいえません。これまでの葬式は見栄と世間体に影響されてきました。しかし故人が超高齢で、子どもも定年退職していれば、葬式に参列する人は少なくなります。高齢になれば、家族や親しい人も亡くなるからです。見栄や世間体にとらわれず、どんな葬式をしたいのかを考えることが大切です」と小谷さんは指摘します。
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取材・文/金野和子