どんなに健康な人でも、いつか別れは訪れるもの。急にその時を迎えて慌てないように、生前から計画を立てておく人も多いですよね。しかし時には、家族の間でも葬式について食い違いが生まれてしまうことも。自分の葬儀について悩む女性の投稿に、多くの意見が寄せられています。
自分の葬儀はどんなものにしたい?
先日ネットの掲示板に、自分の葬儀にまつわるお悩みが投稿されました。投稿者の女性は、自分の葬儀はささやかな家族葬で送りだしてほしいと考えているようす。しかし旦那さんは世間体を考えた普通の葬儀を望んでおり、旦那さんに任せることになったら希望は通らないだろうという予感も抱えていました。
「自分の希望が通らないことを想像すると、ちょっと残念です」と嘆く女性に対し、掲示板には「私も葬式は派手じゃなくていいと思ってる」「葬儀もお墓もいらない、って周囲に伝えてあります」「面倒な葬儀の準備で家族の手を煩わせたくないですよね...」と同意の声が続出。「遺書や終活ノートにちゃんと書き残しておくといいかも」「葬儀の生前契約を利用してみては?」など、具体的なアドバイスも寄せられています。
しかし一方で、「葬儀は遺された人のためのもの」「自分の希望よりも家族の希望を大切にしてあげて」と少し厳しい意見も。「友人が家族葬だったけど、最後にお別れが出来なくて残念」「母を家族葬で送った後、お別れを言いたいと大勢の人が家に来て大変だった」「いくつか経験したけど、結局普通の葬儀が一番楽」など、家族葬の大変さについて明かす投稿も多くありました。
葬儀の種類や費用について
葬儀にはいくつか種類があり、通夜から告別式まで多くの参列者を招いて行う「一般葬」、親族や近親者のみを招いた「家族葬」、告別式のみを1日で行う「1日葬」、火葬だけの「直葬・火葬式」の4つが一般的。2017年に株式会社鎌倉新書が実施したアンケート調査「お葬式に関する全国調査」では、葬儀の種類やかかった費用について調べられています。
実際に行われた葬儀で一番多かったのは、「一般葬」の52.8%。2番目が「家族葬」の37.9%となり、やはり通常の葬儀を挙げる人が過半数のよう。しかし2015年の調査では「一般葬」が58.9%、「家族葬」が31.3%だったため、徐々に家族葬の需要が増えていることも明らかになりました。
葬儀にかかった費用の平均額は、飲食代や返礼品も含めて178.2万円。葬儀そのものにかかった費用については、「80万円~120万円未満」が一番多い29%となっています。種類別の平均費用を見ると、「一般葬」が約146万円、「家族葬」が約91万円、「1日葬」が約64万円ほど。地域や会場の規模、葬儀社が用意しているプランによっては大幅に変動することもあるので、検討する際は実際に見積もりを出して比較するといいでしょう。
故人のためにも遺された人のためにも、悔いの残らない葬式にしたいですね。
文/藤江由美