将来設計の専門家・下村志保美さんに聞いた「おひとりさま暮らし」に備える「始めること」「やめること」

【やめる】固定電話を解約する

将来設計の専門家・下村志保美さんに聞いた「おひとりさま暮らし」に備える「始めること」「やめること」 2305_P042_03.jpg

「シニア層の携帯電話やスマホなどモバイル端末の所有率は、2022年に94%を超えています。もしもあなた自身が携帯電話やスマホを持っているのなら、コスト削減の一環として固定電話を解約しましょう。固定電話の解約は、『オレオレ詐欺』など特殊詐欺を防ぐ結果にもつながります」(下村さん)

《毎月のランニングコストを見直して、スッキリ!》

新聞の定期購読や、定期契約をしているサプリメントや化粧品など、意外なところにお金がかかっているもの。また、エアコンや冷蔵庫など大型家電は、新しいものに買い替えることで電気代が激減する場合があります。

【やめる】これまでしてきた「がまん」をやめる

・好きなものを食べる
・無理はしない
・休日は自分のためだけに使う ... etc.

「夫のため、家族のため、女性の多くはさまざまながまんを強いられてきています。そうしたがまんは、キッパリとやめてしまいましょう。ストレスをなくすことで免疫力が高まり、健康になることで余計なお金を使わずに済みます。子どもや孫への援助も、無理せず断ってOK。自分のためにお金や時間を使いましょう」(下村さん)

【始める】終の棲家を考える

「70代を過ぎてから住まいを変えるとなると、引っ越しも大変ですし、部屋に体が慣れずストレスを感じることが増えます。終の棲家を考えるのであれば、50~60代くらいまでに。階段や家具の配置など、気になる点を書き出し改善するようにしましょう」(下村さん)

《持ち家なら》

リフォームは60代までに終わらせる。戸建てからマンションへの住み替えなど、お金がかかる引っ越しはよく考えてから行う。

《賃貸なら》

高齢になると保証人や収入証明の関係で物件を探しづらくなるので、できれば仕事をしてい
る間に最後の引っ越しを済ませる。

【始める】ライフプランを立てる

「お金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談し『ライフプラン』を立ててもらうと、今後どの程度の出費が可能か、子や孫への資金援助がどこまでできるか等を知ることができ、今後の指標にできます。プランの作成は、1万円程度で行ってもらうことができます」(下村さん)

【始める】ネットスーパーに慣れる

「スマホやパソコンから注文し、自宅まで届けてもらえる便利なネットスーパー。いざ必要になってからでは操作が難しいこともあるので、元気なうちから始め、慣れておくといいでしょう。夫とともに注文し、家計の相場感に慣れさせるのもおすすめです」(下村さん)

【始める】口座を1つにまとめる

将来設計の専門家・下村志保美さんに聞いた「おひとりさま暮らし」に備える「始めること」「やめること」 2305_P043_01.jpg

「銀行や郵便局などあちこちに口座を作っているようであれば、後々がラクなように整理しておきましょう。カード類は、持つなら2枚までに。また、共有名義の土地や、高価なアクセサリーなども整理し、相続時にトラブルの種を残さないようにしておきましょう」(下村さん)

【始める】エンディングノートを書く

将来設計の専門家・下村志保美さんに聞いた「おひとりさま暮らし」に備える「始めること」「やめること」 2305_P043_02.jpg

「エンディングノートは基本的に残される人のためのものですが、自分自身の気持ちの整理のためにも書いておきましょう。スマホのロック番号や、定期購入しているもの、利用している有料のアプリなど、細かいことを全て書き込んでおくことをおすすめします」(下村さん)

《こんな利点が!》

家族の負担が軽減する/医療や介護について希望を伝えられる/終活がスムーズになる

取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン イラスト/祖父江ヒロコ

 

<教えてくれた人>
ライフオーガナイザー、ファイナンシャルプランナー
下村志保美さん

整理収納サービス「PRECIOUSDAYS」主宰。英語講師、投資顧問会社勤務を経て、ライフオーガナイザーとして活躍。著書に『片づけのプロが教える心地いい暮らしの整え方』(三笠書房)がある。

おうちに眠っていた古着で世界の子どもを救おう

a.jpg

1口で10人の開発途上国の子どもたちの命が救えます。送られた古着や食器は開発途上国で選別・販売。現地の雇用を生み出します。

▶詳細はコチラ!

この記事は『毎日が発見』2023年5月号に掲載の情報です。
PAGE TOP