あなたは今、「家族のための私」で生きていませんか? 「もしあなたが『このままの人生で本当にいいんだろうか』。そう感じているならば、自分と向き合うサインです」と語るのはAmeba公式トップブロガー・中道あんさん。「夫や3人の子供たちとくらべて、ただ歳を重ねているだけ」と感じながら専業主婦をしていた中道あんさんですが、40歳でパートを始めたことをきっかけに、その後は正社員となり、夫と別居、そして50代半ばで起業をするまでに人生が変わりました。
中道あんさんが「このままではいけない、変わらなきゃ」「一歩を踏み出そう」と考え、「私のための私」になれたのはなぜなのか。中道あんさんの著書『昨日とは違う明日を生きるための 新しい幸せの始め方』(KADOKAWA)よりこれからの時代を生きるヒントを厳選してお届けします。
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【最初から読む】専業主婦だった私が40代でパートを始め、夫と別居し、50代で起業した理由
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「夫に聞いてみないと」→「自分のことは自分で決めよう」
夫に頼るのが習慣になっていない?
私の講座に申し込まれる方の中に、なかなか日程が決められない方がいます。「夫に聞いてみないと」「子どもの予定を確認してから」と言うのです。
自分の人生の主導権を握っていない人だな、と感じます。
私も以前は、「主人に相談してみないと」という言葉をよく使っていました。新聞の勧誘の人が来れば、「主人がダメと言っているので」という理由で断る。困ったときは、「主人」を表に出すことで問題を避けていたのです。
そして実際に必要なときは、夫に頼ればなんとかしてくれるという期待を持っていました。
自分で決めて、自分で行動する
そんな私が、「夫に頼るのをやめよう」と思うようになったのは、ある苦い経験がきっかけです。
わが家では、海外からの大学生を預かるホストファミリーをしていた時期があります。中でもオーストラリアから来た留学生のRちゃんは、私たちを家族のように慕ってくれて、1年ほどわが家に滞在しました。社会人になってからも、里帰りのように遊びに来てくれて、20年以上たった今でも交流があります。
そんな彼女が年ごろになり、結婚することになったときのことです。シドニーの海岸で結婚式を挙げるので、私と娘の二人に親族として参加して欲しいと、招待してくれました。私は「ぜひ出席したい!」と思いましたが、まずは夫に相談しました。
「結婚式に招待されたけれど、どうすればいいかな?」と聞くと、「行く必要はない」という返事でした。
内心はとても行きたかったんです。でも交通費やホテル代の問題があって、自分では決め切れなかったのです。「行っておいで」という言葉で背中を押して欲しかったのに......。期待が外れました。
「どうすればいいかな?」と相手に決定権を委ねておいて、「実は行きたい......」とは言えませんでした。「自分に経済力がない」という理由が大きかったと思います。
仕方なくRちゃんには、「忙しくて時間がとれない」など理由をつけて断りました。Rちゃんは大変がっかりしていました。
なぜ、「行きたいから、お金を出してください」と言えなかったのか。「夫婦は対等」という意識を持っていれば、堂々とお願いできたでしょう。
夫を立てたつもりの言葉選びでしたが、大失敗でした。「夫はいつも私の願いを叶えてくれる」という期待をしていたんだと思います。でも、大事なときに肩透かしにあって、目が覚めました。
めちゃくちゃ悔しくて、「精神的にも経済的にも自立してやる!」「自分のやりたいことは全部自分が決める」と決心したのを覚えています。
その数年後、私のお金で両親と子どもをハワイ旅行に連れていくことができました。
今は、他人に期待をせず「問題があっても自分で解決する」という価値観を持っています。そう言えるようになったのは、経済力がついたこともありますが、「周りに遠慮せず自分で決められる」ようになったからです。
自分で考え、自分で選び、自分で決めて行動していく習慣をつけると、「自分軸」が育ってきます。困ったことが起きても「どうしたらいいと思う?」などと人に相談することがなくなり、自分で決められる人になれます。
自分の人生に責任が持てるようになり、自信を持って生きていけるようになります。
POINT
夫でも子どもでもなく自分に頼ろう