あなたは今、「家族のための私」で生きていませんか？ 「もしあなたが『このままの人生で本当にいいんだろうか』。そう感じているならば、自分と向き合うサインです」と語るのはAmeba公式トップブロガー・中道あんさん。「夫や3人の子供たちとくらべて、ただ歳を重ねているだけ」と感じながら専業主婦をしていた中道あんさんですが、40歳でパートを始めたことをきっかけに、その後は正社員となり、夫と別居、そして50代半ばで起業をするまでに人生が変わりました。
中道あんさんが「このままではいけない、変わらなきゃ」「一歩を踏み出そう」と考え、「私のための私」になれたのはなぜなのか。中道あんさんの著書『昨日とは違う明日を生きるための 新しい幸せの始め方』（KADOKAWA）よりこれからの時代を生きるヒントを厳選してお届けします。
【前回】家事・育児は立派な労働！ 「食べさせてもらっている」は思い込み
【最初から読む】専業主婦だった私が40代でパートを始め、夫と別居し、50代で起業した理由
※画像はイメージです
「親に逆らってはいけない」→「親を嫌いと言ってもいい」
自分で自分に命令を下していた
私は長女という立場上、「親の面倒をみるのは当たり前」と言われて育ちました。そこに自分の意思なんて存在しません。「親を捨ててはいけない」と思っていました。私が投げ出したら周りに迷惑がかかる。だから、こんな命令を自分に下していました。
私が投げ出したら周りに迷惑がかかる。だから、こんな命令を自分に下していました。
・親なんだから、冷たくしてはいけない
・親なんだから、ほったらかしにしてはいけない
・親なんだから、嫌いになってはいけない
・親なんだから、無視をしてはいけない
・親なんだから、逆らってはいけない
ほとんど無意識レベルの刷り込みです。
こんな常識に縛られて、母のあれこれを我慢し続けました。こんな状態で50年も母と接しているうちに、手足をもぎ取られているような感覚に陥りました。ものすごく不自由な感覚です。自分だけど、自分じゃないみたい。
でも本心は、もっと自分の好きなように生きたいと思っていました。
自分のタブーを外すことで、ラクになれる
ついに我慢の限界に達して、親に縛られたくない、自分の好きなようにしたいと思うようになりました。いっそタブーを破ってやろうと思ったんです。
思い切って、友人の前で「親だけど、大嫌い」と口に出して言ってみました。するとあら不思議、めちゃくちゃラクになったのです。
友人はそれを聞いて、「親を嫌いってかわいそうやな」と言いました。確かに世間的にはタブーでしょうが、そうなんだもん仕方がない、しゃーないんです。
「親を嫌い」と、わざと口に出すようにしたらどうなったかというと、母の面倒をみることの苦痛が激減したんです。
母がわがままを言い、周りを困らせるときは、「まじでクソばばあやわ！」とわざと汚い言葉を放ちました。
すると、嫌いなんだけど、母の行動を客観視できるようになり、「難儀なお婆さんだ」と笑えてくるのです。
同時に、母親からの要求がどんどんと減ってきました。きっと「娘に言っても無駄だ」と悟ったのかもしれません。
・親でも、冷たくしてもいい
・親でも、ほったらかしてもいい
・親でも、嫌いでもいい
・親でも、無視してもいい
・親でも、逆らってもいい
こんなふうに「〇〇してもいい」と、言葉に出して言ったり、態度に出すようにしたら、ギュッと固くなっていた心が緩んで、とってもラクになりました。母に対するわだかまりが消えて、まぁまぁ普通につき合えるようになったのです。
自分が「〇〇してはいけない」と思っていることを、「〇〇してもいい」と言い換えるだけで、心のブレーキが外れてスッと前に進めることがあります。
思うだけでは何も変わりません。実際に声に出して、行動してみることで、効果を実感できると思います。
POINT
素直な心の声を外に出すことでラクになれることがある
