年老いた親が住む実家の片づけ。山積みの不用品の中から、私が残したものの基準は.../中道あん

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「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰の中道あんです。

12月に入ると新しく年を迎えるにあたり、気になるのは自宅の大掃除と、

もう一つは年老いた親が住む実家の片付けではないでしょうか。

前回のエピソード:50歳を過ぎて分かってきた、お酒の美味しさと楽しみ方

 

現在、私の母は有料老人ホームで暮らしておりますが

父が健在で夫婦で住んでいた頃は、季節ごとに実家を片付ける事が頭に浮かびました。

親が元気なうちに片付けて、スッキリと暮らして欲しい。

私もそうでしたが、どの子供もそう願うのではないでしょうか。

 

実家は5DK+納戸という間取りでしたが、私達姉妹が家を出ると

普段の生活に必要なスペースは1DK+納戸のみ。

両親は、その他の部屋には物をいっぱいに置くようになったのです。

父が亡くなる前の12月、片付けを兼ねてプチリフォームをしました。

その時に、ある程度の大型ごみは処分できましたが

それでも、まだまだ山のように不用品があるように見えました。

父が亡くなり、母を引き取り、しばらくはそのままにしていたのですが、

母が老人ホームに入居したことで、本格的に空き家になった実家を

片付ける決心をしたのです。

 

実家は、母で三代目の家系でした。

古いものは明治初期のもの。ホコリまみれで開かずの扉から出できました。

また、買えばそれなりの値段がするようなものもたくさん新品のまま眠っていました。

私達が家を出た後に、ものを買う事で寂しさを紛らせていたのかもしれません。

「いつか娘達が使うはず」という意図があったであろうものの数々は、新品のはずなのに私の目にはくすんだで映りました。

まず母が大切にしているものをピックアップしようと

和ダンスの小引き出し一つ分の中身をそのまま母に見せ、

「この中から残したいものを選んで」とお願いすると

あれもこれも、理由をつけては全て要ると言います。

そして、その理由のほとんどが、「まだ使える」というものなのです。

 

私は、残すものの基準を、

「ストーリーがあること」

という1点に絞りました。

反対に言うと、それについて多くを語れないものは残さないのです。

そして、量は、今住んでいる私の家に保管できる分だけ。

このルールで片付けを進めていくことにしました。

残すことにしたものの中の一つは、

父から母へ贈られた、母の誕生石のオパールの指輪でした。

オパールは水に弱いのですが、その事を知らずに付けたまま水仕事をしてしまい、いつしか輝きを失ったそうです。

私が子供の頃、指輪を眺めては残念そうに話していました。

今ではすっかり忘れてしまったようですが、

そのような夫婦の記念の品はいくつか残して施設に届けました。

 

次は、私が一番に欲しいと思って持ち出したもの。

それは、明治頃に作られた大鉢です。

子供の頃、家にお客様が来られると、この鉢一杯に野菜を盛り付け、

すき焼きなどをして食卓を囲みました。

この大鉢は母が子供の頃にはいくつもあって、親戚やご近所で集まりごと

があると貸し出して重宝がられた話を聞きました。

私が子供の頃には3つくらいになって、集まりごとも少なくなるにつれ出番が減り

いつの間にか最後の一鉢となってしまったのです。

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私達家族が実家で鍋を囲む時には毎回この鉢に野菜を盛り付けていました。

やんちゃな息子達が鉢を割ってしまわぬように十分に気をつけ大切に扱って、

それは人が集まる時の象徴のような存在の器です。

 

できるだけ高価なものを残したい気持ちも分かりますが、

どれだけ家族が使ってストーリーを生み出したか、

それが家族だけに分かる価値ではないでしょうか。

よくバッグなど高価なものは大切にしまっておくという話を聞きますが

大切で次の世代にも譲っていきたいと思うのであれば、大いに普段使いにし

愛しみ、そのものに思い出という付加価値をつけてはどうでしょうか。

それが、後世も受け継ぎたいと思える価値ではないかと思うのです。

うちには娘がいるのですが私は大切な物ほど普段に使っています。

そうすることによって、「いつかそれを見ると私を思い出してくれるのでは」と淡い期待をしているのです。

次の記事はこちら:その道具、本当に必要?私が100円均一の誘惑から覚めた理由

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中道あん
女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。
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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

 

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