一括? 月払い? 自分に最適な支払い方法を
施設の入居時には、どれだけ前払いするのか、そもそも前払いするかどうかを決める必要があります。支払い方法は3種類あります。
(1)全額前払い型
終身に渡って支払う賃料などを一括して前払いする方法。
(2)一部前払い型
終身に渡って支払う賃料などの「一部」を前払いし、残りは月ごとに支払う方法。
(3)月払い型
前払いをせず、月ごとに賃料やサービス費用を支払う方法。
全額前払い型は、最初に用意する費用がかなり高額になりますが、追加費用の心配がほとんどなく、入居後の経済的な見通しを立てやすくなります。月払い型は短期間の利用ができるため、特別養護老人ホームへの入居待ちを前提とした利用がしやすいのが特徴です。想定入居期間が長期の方は全額前払いを、短期の方は月払いを選ぶと良いでしょう。
一部前払い型は、入居一時金を払う際に、まとまった金額を用意できない方におすすめの支払い方法です。
月額利用料となる主な5つの項目とは?
月額利用料は大きく5つの項目に分けられます。民間施設のほうが割高になる傾向にあります。
(1)賃料
民間施設の場合、地価の高い場所にあり、サービスが充実している施設ほど、毎月かかる費用は高額で中には100万円以上になる施設もあります。
公的施設の場合、国が規定した基準費用額を目安として決められます。ただし、施設が提供する部屋の形態によって、金額に差が出てきます。
(2)管理費
一般的なマンションと同様、老人ホームにも存在します。共用施設などの管理・維持、事務員の人件費などに使われます。
(3)食費
民間施設の場合、1日の食費を定額で設定している施設もあれば、1食ごとにかかった食費を細かく設定して請求する施設もあります。食事の豪華さや美味しさを売りにしている施設では、食費は高くなりますが、日々の食事の満足度も高まります。
公的施設の食費は、国が規定した「基準費用額」を目安に決められます。所得や資産が一定以下の入居者に対しては、自己負担額の限度額が段階的に設定されています。
なお、月々の食費には1日3食分が含まれています。入院や外泊で数日間は施設に戻らない時は、事前に伝えておくと施設のスタッフも把握しやすいはず。
(4)水道光熱費や電話代
民間施設、公的施設に関わらず、水道光熱費や電話代などは各自で負担します。
(5)その他の費用
個人的に使用する歯ブラシや石けんなどの日用品、お菓子や本などの嗜好品、病院での診察費・通院費・薬代・送迎費などはすべて自己負担です。
(1)~(5)に加えて、サービス内容・設備・人員配置体制の強化度に応じた「サービス加算」、介護付き有料老人ホームなど施設内で介護サービスを行う施設に認められている「上乗せ介護費」、介護サービスを受ける際に所得に応じて1~3割自己負担する「介護サービス自己負担額」があります。