生きるとはどういうことか、孤独とは、愛とは何か――。誰かを愛するがゆえに、心に生じてしまう苦悩。そんな迷いや苦しみを和らげてくれる「生き方のヒント」が、瀬戸内寂聴さんの最新刊『愛に始まり、愛に終わる 瀬戸内寂聴108の言葉』(宝島社)には詰まっています。柔和な笑顔で人々を励まし、救ってきた瀬戸内さんの人生哲学は、きっとあなたの「心の栄養」に。御年99歳を迎えた瀬戸内さんの、胸に響くメッセージの一部をお届けします。
【前回】瀬戸内寂聴108の言葉「男と女の間には永遠に渡りきれない川が流れていて」/愛に始まり、愛に終わる
【生について】寂庵での法話で、「観音経」について解説するなかで語って。―1988年1月
とにかく、いがみ合うのはやめようね。いがみ合うのは面白くないし、何より器量が悪くなる。
亭主っていうのは若い時には頼りになるのね。
だけど長く連れ添って、年を取った亭主は頼りになるどころか足手まとい。
もうそれは同情すべき存在なの。
だから妻はそれを引っ張っていってあげなきゃいけないの。
そういうふうに思ってください。
若い時にずいぶん働かせたんだからね。
年とった夫は大事にしてあげてください。
またあの世で良いことがありますよ。
とにかく、年とっていがみ合うのはやめようね。
いがみ合うのは面白くないし、何より器量が悪くなる。
だから器量を良くしましょう。
【次回】瀬戸内寂聴108の言葉「誰かに出逢うことが『生きる』ということ」/愛に始まり、愛に終わる
「愛」「無常」「老」「死」など8つのテーマに対して、瀬戸内さんが説く、生き方のヒント。「生きたあかし」とは何か、そして人生の道しるべが示されています