1971年、わが家に電化製品がやってきた!懐かし昭和エピソード

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:いくら
性別:女
年齢:55
プロフィール:戦争は知りませんが、昭和の時代に育った世代です。家電製品の登場は画期的でした。

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それはまだ私が小学生の頃。おそらく1971年(昭和46年)だったと思います。母が、わが家で初めての高級家電を購入してきたのです。

高級家電第一号は掃除機でした。ただ本体にホースを差し込み、コンセントを入れるだけの作業でしたが、母は取扱説明書を何度も見ながら「これでいいのかしら」と組み立てていきました。「組み立てた」というのも大げさに思われるかも知れませんが、当時はそれくらい大変な作業に思えたのです。

まだ掃除機が家庭で普及し始めたばかりの頃。スイッチは本体にしか付いていませんでした。それでも、室内の細かい埃まで吸い込んでくれるのが、私にとっては驚きだったのです。
ですが母は何を考えているのか、その後お茶の出がらしを室内に撒き始めました。当時は細かい埃を取るために、使用済みのお茶っ葉を撒く事が当たり前だったのです。
すると、母は「これ、掃除機で掃除するのかしら」と掃除機でお茶っ葉を吸い込み始めました。当然のことながら、掃除機の中はすぐにお茶っ葉でいっぱいに。母は何度も掃除機のゴミを処理しながらお茶っ葉を掃除し、「こんなんじゃ箒で掃いた方が早いわ」と、最終的には掃き掃除をしていました。

その後、近所の人のアドバイスで、お茶っ葉を撒かなくても埃を掃除できるということが判明しましたが、それまでは掃除機、お茶っ葉、掃き掃除の繰り返しでした。

次に我が家に届いたのが洗濯機。早いうちに洗濯機を購入した近所のおばさんのものは一層式のローラー式脱水機が付いているものでしたが、私のうちは当時の最新式で、二層式の脱水機付き。

ローラー付きで洗濯を続けるおばさんは、購入時に随分と母に自慢をしていて、「洗濯が終わったら、こうやってローラーに挟んで、つまみを回すだけで絞ることができるのよ」と満足気だったのですが、最新式の洗濯機は脱水層に濡れた洗濯物を入れてダイヤルを回すだけ。
確かに、一つ一つの洗濯物を固く絞るのはものすごい労働だったので、ローラー式脱水機が登場したときには大きな話題となりました。それが、回転式脱水機の登場で人気が薄れ、次第に店頭から消えていったのでした。
それでも、まだ昭和の時代は「もったいない」と物を捨てられない時代でしたので、おばさんは買い換えることなく、その後、ローラーがボロボロになっても頑張って使い続けていました。

わが家の洗濯機はとにかく素晴らしかったです。まだ安全装置が付いていない時代で、母と二人で洗濯機のフタを開けたまま見ることができ、中で回っている洗濯物をじっと眺めていたものです。

初めて使用したときは、「回っているだけじゃないの。こんなんできれいになるのかしら」と、脱水までした洗濯物を母が手洗いして、また脱水していました。母が洗濯機の性能を信じられるようになるまで、時間が必要だったのです。
それにひきかえ、私は心から脱水機に感動しました。それまで手で絞っていたので、どんなに頑張ってみても、洗濯物を干したときには水が滴り落ちるのが当たり前だったのです。それが、ほとんど乾いている状態(当時はそう感じていました)にまで水分が抜けているのですから、ビックリでした。「お母さん、これ乾いてるよ」と、大騒ぎ。母も脱水機には驚いていました。その後、乾くのに翌日までかかっていたような厚手の洗濯物でも、その日のうちに乾いたのがとても嬉しい出来事でした。

父は暫く不満そうに「手抜き」だと言っていましたが、時間の経過と共に父も慣れていきました。そして、家電製品の進歩は、母に大きな時間を与えてくれた事は言うまでもありません。家電によってわが家の生活が変わったこと、今でもいい思い出です。

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