85歳の母が「なりすまし詐欺」で100万円被害。50代の娘も気付けず...犯行手口と判断を狂わせた「勝手な思い込み」

「50代女性です。高齢者の詐欺被害、どこか他人事だと思っていた私。こういう油断、本当にダメですよね。母からの突然の電話で私も気が動転してしまい、大きな騒動になってしまいました」

アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?

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■「50万円が引き出された」と母からの電話

2023年10月末のことです。

自宅で夕飯を食べ終えて後片付けをしていた頃、母(85歳)からの電話がありました。

母は電話をかけてくるときは早い時間が多いので、「何かあったのかな?」と思いながら電話に出ました。

出た途端「とんでもないことが起こったよ!」と母が言うのです。

まず頭に浮かんだのはケガでもしたのか、自宅が火事になったのか、でしたが、そうではありませんでした。

その日のお昼ごろに銀行から電話があって、母の保険証が偽造されて、口座から50万円が出金されたというのです。

そして、事情を聞きに銀行員が母の家にこれから来るということでした。

■「他言しないで」という母の言葉を守って大失敗

母があまり他の人に言わないほうがいいと言ってきたので、私は黙っておくことにしました。

ですが、どうにもモヤモヤして、翌朝、夫に話したのです。

すると、夫(52歳)は開口一番「それ本当に銀行の人?」と言いました。

そこで私はやっと「もしかしたら詐欺かも!」と気が付きました。

母が詐欺の被害に遭うはずがない、そんな勝手な思い込みが判断を狂わせていたのです。

その場ですぐに母に電話し、「お母さん、もしかして昨日来た銀行員にキャッシュカードを渡していないよね?」と聞いたら「渡した。暗証番号も言った」と言うではありませんか。

もう遅いかもしれませんが、警察に電話して、一連の出来事を話しました。

「間違いなく詐欺です。一刻の猶予もないからすぐお母さんのところに行ってください! 我々もすぐに向かいます!」

そう言われて、大急ぎで実家に向かいました。

私が着いたときには、すでに警察の方が到着していました。

すぐに母から銀行に連絡を入れてもらい、キャッシュカードの利用を停止しました。

その後、母を連れて銀行で記帳したら、昨日と今日の2日間で、合計100万円が出金されていました!

私が昨日、夫が帰宅してすぐ話していれば、被害は半分で済んだのに!

悔やんでも後の祭りです。

それでも、対処が遅れて何日も経った後だったら、もっと大きい被害額...もしかすると貯蓄がなくなるまで取られていたかもしれません。

本当にゾッとしました。

その後はいままでの電話機をやめて、詐欺防止機能付きの電話機を購入するなど、防犯対策を強化しました。

実は詐欺にあった後も、母は訪ねてきた銀行員(詐欺師)の作り話を信じていました。

気を付けているつもりでしたが、いままで他人事だと思っていたんですね。

銀行員から自宅に電話しません! いろいろな方法で詐欺は近づいてきます。

ようやく自分が騙されたと知り、落ち込んだ母が立ち直るには、もう少し時間がかかりそうです。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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