<この体験記を書いた人>
ペンネーム:oroca
性別:女
年齢:41
プロフィール:婚約解消や離婚経験を持つが、現在は2度目の結婚生活を穏やかにおくっています。
大学卒業後、就職したばかりで何かと心細かった私。いつも助けてくれた職場の先輩A氏と交際することになりました。
A氏は結婚願望が強く、交際を始めてすぐに結婚話を進めようとしました。ですが、私はまだ結婚する気もなかったですし、交際してみてわかったのですが、A氏は酒乱で暴力的。さらに独占欲が強く、職場でも私をいつも見張っています。他の男性と極力会話しないようにと言い、結婚したら転職するようにと命令するので、A氏と添い遂げる自信も転職する気もない私は、結婚したくなくて困っていました。かといって、別れ話を切り出す勇気もなく過ごしていたのです。
A氏の父親や妹は、長男であるA氏には自分の家の評判が上がるような良家の美しいお嬢さんと結婚して欲しいらしく、私との結婚に反対していました。ですが、A氏は周囲を説得、結婚話はどんどん進んでいきました。
両家で挨拶を交わし、仲人を職場の上司に頼み、結納の日取りまで決定。私は、A氏の自尊心を傷つけるのが怖くて、交際を続けていました。結婚が決まると、A氏のご両親は私をとてもかわいがってくれるようになりました。一緒に食事をすることも増えてきたのです。
そんなある日、A氏のお母さんと私が二人きりでいると、お母さんが「実はAには内緒なんだけど、Aのことを好きなBさんという女性いるの。私はBさんと結婚して欲しいから、たまに二人で会ってたの」と私に打ち明けました。
私との交際を始める前に、Bさんという女性につきまとわれて困るとA氏が言っていたので、私もその女性のことは知っていました。A氏が迷惑がっている女性とA氏の母親が二人きりでこっそりと会って、しかもお母さんはBさんと結婚して欲しいと思っているとは驚きました。
A氏に黙って、二人で親子の絆を深めようと思っていたのかわかりませんが、私にはショックを受けたというよりもチャンスが到来したと思ってしまいました。暗闇に一筋の光が差したようでした。つまり、この事実にショックを受けたことにして、結婚から逃げ出そうと決めたのです。
お母さんには、他の女性と会っていたことをA氏に黙っていて欲しかったのだと思いますが、私は敢えてそのことをA氏に話し、「他の人と結婚して欲しいと思われているのに結婚できない」と言って別れを切り出しました。ところがA氏は、母親が悪いと言って私の味方になり、私の家に転がり込もうとしてきたのです。これには困りました。そこで私は自分の両親にも結婚したくないと打ち明け、両親と共にお断りさせていただき、どうにか結納前に破談にすることができました。
数日後、知らない番号から電話がかかってきました。顔を知っている程度の知人男性でした。電話に出ると、「どうしてそんな理由で結婚話を解消したんだ!? 鞄を買い与えることも彼の愛情表現の一つだろう」と言われました。何の話か聞き返すと、A氏がブランド物の鞄を買って私にプレゼントしようとしたのを気に入らず、私が別れたいと言い出したと、A氏の妹から聞いたということでした。そんな理由で別れるわけではないけれど、好きなように解釈してくれと思いました。A氏のお母さんを悪者にしてしまって申し訳ない気持ちもあったので、私がA氏のブランド志向を嫌って別れたと周囲が思ってくれているのなら、それでよかったのです。
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