「上手い話には裏がある」ママ友が持ちかけてきた「内職」...それって本当に割のいいバイトなの?/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。

※登場人物はすべて仮名です

【前回】「プレゼント貰ってへんのやけど?」図々しすぎるママ友に唖然...想定外だらけの「お誕生日会」

「上手い話には裏がある」ママ友が持ちかけてきた「内職」...それって本当に割のいいバイトなの?/かづ pixta_68286973_S.jpg

ある日のこと、いつものように井戸端会議に花を咲かせていたところ、松木さんが大掛かりなバイトの話を持ち込んできた。

幸か不幸か、小山さんもその場にいた。

ママたちは皆収入になればと思っていたが、それぞれのご家庭の都合があってパートに出るまではいかない事情があった。

小さい子がいて預けられないとか、時間を決めて週何回かの通勤は無理だったりで、何かしらの内職的なものを探している方も多かった。

そこに松木さんが話を持ってきたものだから、皆興味津々だ。

どこからそんな話を拾ってくるのか、松木さんの知り合い経由で色んなバイトの話があるらしい。

今回の話は、シールタイプのDM作成のバイトだった。

仕事は年間を通して切れ目無くあり、作れば作るほど収入になる。

問題は、そのDMを作るにはプレス機が必要だと言うことだ。

プレス機の値段は10万円ほどで、それをみんなで割り勘で購入しなければならない。

1人1~2万円出してプレス機を買い、皆好きな時に作業場に通って仕事をすると言う話だが、収入が発生する前に費用負担が発生する。

第一、その作業場をどこにするのか?

「集会所に置かせてもらえんかな?」

ママの1人が意見を出した。

いや、それは無理だ。

集会所はあくまでも公共の建物になるので、子ども会に老人会、婦人会などが物品を置いている分には良いが、個人の持ち物を置かせてもらうことは難しい。

2~3日や、長くても1週間程度置かせてもらうことは可能だろうが、プレス機を置かせてもらうだけでなく、そこを作業場と兼ねるとなれば集会所の使用料を請求されるのだ。

私は地域の役員の経験があったので、集会所の1時間の使用料やあらかじめ集会所使用には予約が必要だと言うことを話した。

要するに、『今日時間があるから今から行って作業をしよう』と言うことは出来ない。

それに恐らくプレス機を置きっぱなしにすることになるので、住民からクレームが来るに違いない。

「そっかぁ~...、どっか置かせてくれて作業が出来るところないかなぁ...」

収入前の費用負担も悩みどころだが、まず作業場の確保の方が難しい。

「うちやったらええで!!」 声を上げたのは小山さんだった。

「えっ?ええの!?」

松木さんだけでなく、皆が驚いた。

「うん、うちやったら6畳の部屋が1つ空いてるし、そこに機械置いてもらってみんなが通ってきたらええやん」

小山さんが満面の笑みで話すのを見ると、善意だけでなく裏があるとしか思えなくなっていた。

「うち働いてないからいっつも家におるし、そこにみんなが来て作業して帰ったらええやん?」

「いや!ホンマに!?ホンマにええの??」

皆が一気に問題解決と沸き上がったが、小山さんの言うことには必ず裏があると思い出していた私は冷静だった。

「でも...、それって逆に言えば小山さんが家にいる時だけしか作業が出来ないってことやんね?」

皆がピタッと止まる。

「例えば、今日作業が出来るわって言うても、小山さんが買い物に出てるとか銀行とか、学校とかで出かけてる時には行かれへん訳やろ?もちろん旅行に行ってるときはその期間誰も出来へん訳やし、鍵預かって勝手に入って作業するって事は出来へんやろ? 週に1~2回、それも1時間程度しか作業が出来へん人が、たまたま小山さんのお出かけにかち合ったら諦めなあかん訳やん?小山さんが合わせてくれる訳やないんやから、私らが小山さんの在宅を狙って通うことになるんやろ?」

私の話したことにママたちが次々とハッとした表情になる。

「少しでも収入を増やしたいって出資してまで機械買って働くのに、小山さんの都合に合わせてしか作業が出来へんのは、収入どころか元が取れるまでなかなか先長いで?それに小山さんの6畳の部屋は無料で貸してくれるん?1年も2年も?プレス機があるんやから、長期で借りることになるで?子どもが大きくなるのに途中で『この部屋使うから』ってなったらそれはそれで困るで?」

実際に機械を購入して作業が始まれば、私の言ったことが現実となるに違いない。

プレス機で作ったDM1枚がいくらになるのかは知らないが、1~2万円出資して元が取れるまでどれほど作らなきゃなんないのか。

「ホンマや!そりゃそうやわ!!」

松木さんから肩をポンと叩かれた。 小山さんの顔がブスッとしていたことは見て見ぬふりをした。

「あんたええとこ気が付いたな!」

井戸端会議が解散した後、松木さんから言われた。

いえいえ...。

「勘ぐったら悪いけど、10万円の機械をみんなで出し合って買う共有物やけど、小山さんの家に置くんやったら、逆に考えれば10万円の物をみんなで出し合って小山さんに買ってあげたのと同じやない?私らは小山さんの都合に合わせてしか作業が出来へんのに、小山さんは時間関係なく作業が出来るって訳やん?それこそ夜でも深夜でも。それにマンションのローンがまだあるやろうから、6畳の部屋を作業場として無料で貸してくれるとは思えんわ。突然家賃取るって言いだしたらどうする?出せへんのやったら出て行ってって言われたら困るやん。機械大きいんやろ?」

私はその当時細々と家で内職をしていたが、全て作業所が確保されていて、納品にしろ材料を受け取りに行くにしろ、平日の朝10時から夕方5時まで出入り自由になっていた。

必ず誰かが在席していたんで、行っても閉まっていたなんてことはない。

『仕事』として回していくなら、継続可能な条件をクリアしなければならない。

内職メンバーが月に数百円から数千円程度しか稼げないのに、小山さんだけが数万円稼ぐなんてことになったら後々トラブルになりかねない。

上手い話には裏があると疑ってかからないと。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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