アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「証拠は? ビデオでもあるんですか!?」我が子のいじめを絶対に認めないママ友の「強烈な言い分」
私はバイトの一件から、小山さんがお金の面に貪欲なところがあるので少々ヤバい人かも?と思うようになってきた。
ある日の事、スポーツクラブの面々とカラオケに行く事になった。
久々のカラオケに私も子どもも楽しみでしょうがなかった。
大人数なのでパーティールームを選び、ひとまず飲み物と食べ物を注文する事になった。
私もお世話好きなタイプだが、大勢で集まると同じくお世話好きな方と言うのはいるものでありがたい。
しばらくして飲み物と食べ物が運ばれてきた。
それぞれ注文した飲み物を取り、ちょうどお昼時だったためかテーブルの真ん中にはフライドポテトやピザなどがたくさん並んだ。
と、そこにはそれらに含めてラーメンと焼きそばが並んでいた。
えっ?これってみんなで取り分けられる? そう思った瞬間、小山さんが言う。
「あ、それうちの子の分やから♪」
小山さんの二人のお子さんの前に運ばれるラーメンと焼きそば。
「うちの子おなかすいてるから~」
私を含めママたちは驚いた顔つきになった。
私の隣に座ったママさんが耳元でコソコソと言う。
「今日って割り勘やったよね?」
「うん、とりあえず人数やなく軒数で割るって話やったよ」
その後もラーメンと焼きそばだけでは足りなかったようで、小山さんは数品注文を追加した。
ええ、小山さんのお子さんがそれぞれを平らげた。
加えてフライドポテトにもピザにも手を出し、まずよく食べることにも驚いたが育ちざかりなんだからそれはしょうがない。
会計をするだんになった時、会計係になった方が戸惑いだした。
原因は、小山さんの勘定をどうするかだった。
参加者は皆「みんなで分け合う」を前提の料理を注文し、大人も子どももそれぞれ分け合って食べたにもかかわらず、小山さんが注文したものは小山さんのお子さんしか食べていない。
それを入れた合計額を皆で割るには納得がいかなかったのだろう。
そりゃそうだ。
会計係でなくともそれはおかしいと思う。
合計金額から小山さんのお子さんが食べたものを引き、その額をみんなで割るべきだろう。
けれども小山さんは相変わらずの小山さんだ。
「全部でなんぼやった? 早よみんなで割ってや! 一軒当たりなんぼ?」
あまりにも堂々とした態度に、そこにいた皆が驚き唖然とした。
「あの、小山さんは子どもさん達が食べたラーメンや焼きそばなんかはみんなで割る金額から除いて計算させてもらうけど...」
会計係のママが勇気を振り絞ってかどうかは分からないが、意を決して的に小山さんに言った。
もうそこにいたママたち一同が「よく言った!」と心の中で拍手した。
ところが小山さんがそこから畳みかけるように返してきた
「えっ!!なんでよ!!今日は割り勘やって言うたやん!」
他のママたちも諭すように宥めるように小山さんに言う。
「で、でもね小山さん。小山さんのお子さんが食べたものはみんなと分け分け出来へんもんやったでしょ? 他の子と分けること無く、小山さんのお子さんたちだけで食べたでしょ?」
当然のように納得しない小山さん。
「今日は割り勘やって言うたやん! 子ども達が食べたいもん注文して何が悪いん? みんなで分けて食べられるもんやないとあかんのやったら、そう言えばよかったやん! あんたらもみんな食べたいもんを頼めばよかったやんか!」
もう私の頭の中では、「ですよね~、小山さんはそういう人ですよね~」とこだまが響く。
小山さんは子どもたちがいる前でも平気で声を荒げる。
こんなお金のことで揉めるのをこれ以上子どもたちに見せたくなかったので、総額を参加家族数で割って解散することになった。
小山さんは自分が正しいとばかりに、いつもの「言うたった!」とのドヤ顔で帰って行った。
残された私たちは、小山さんのことよりも「子どもさんたちが可哀想」と口々に話した。
でも、私は少し違ったことを考えていた。
親のしていることを見て「恥ずかしい」と思う子ばかりではないことを。
親のしていることはすべて正しく、親と同じように「言うたった!」と思っている子はいる。
それからと言うもの、再びカラオケにみんなで行こうと言う話は無くなった。
子ども同士の口からどうバレるかわからず、小山さんだけを誘わないと言うわけにもいかないからだ。
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