<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:53
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる53歳の自営業。
先月の終わりごろ、うちのそばの通学路を仕事用のバンでコロコロと走っていたときのことです。
ちょうど小学生の下校時間で、子どもたちが男女合わせて5人くらいで私の車に向かう方向に歩いていました。
まだ低学年に見える子どもたちは、ワイワイと話したり小突きあったりしています。
ここまでは日頃からよく目にする光景で、この日も小学生がいるためいつもと同じく少しスピードを落として走っていました。
ところが、ちょうどもう少しで私の車とすれ違うという所で、1人の男の子が転んでしまったのです。
それも「びたっ!」と音が聞こえる気がしたような派手な転びかたで。
私も思わず「イタっ!」と声をあげながら「こりゃ痛いぞ。ケガしたかな」と咄嗟に車を停めました。
ケガをしていたら何かできることがあるかもしれないと思ったからです。
様子を見に降りて行こうとしたところ、周りにいた子どもたちがすぐさま転んだ子に駆け寄り手を差し出しました。
転んだことを笑っている子はいません。
それどころか、1人の子は水筒の水でハンカチを濡らしてすりむいた傷をふいてあげ、もう1人は肩を撫で、他の子たちは散らばった荷物を集めています。
チームワークさえ感じさせる見事な動き。
とても自然な行動にも見えて、日頃からお互いを思いやっているのだろうと想像できます。
私は降りていくことも忘れ、子どもたちの姿に見入っていました。
そうしているうちに、転んだ男の子は泣かずに身なりを整え直し、またみんなでワイワイと話しながら私の車の横を通り過ぎて行ったのでした。
「素晴らしい!」
そう心で呟き、バックミラーで彼らが去っていくのを眺めて車を出しました。
ほんの短い時間でしたが心が温まる出来事に浸り、ふと自分が子どもの頃を思い返しました。
私が彼らの年齢の頃は誰かが転んだらまずは大笑いしただろうし、擦りむいたところをハンカチでふくのではなく、洋服の袖でざっと拭って済ませていたなぁ。
傘を剣に見立てて戦いながらとか、雪合戦をしながら下校するとか、仲が良かったけどもっと野生っぽかったっけ。
時代の流れを感じながらも、先ほどの子どもたちとは人間の出来が違うような気がして、1人苦笑いしてしまいました。
子どもたちの「身近な人への思いやり」の気持ちは時代や世代に関係なく大切なことなので、私も子どもたちの態度を謙虚に見習わなくてはと感じた出来事でした。
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