こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】認知症の義母が真夜中に大絶叫! 翌朝、電池切れでへたりこんでしまい.../山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
一昨年より去年、去年より現在と徐々に『出来なくなること』が増え、ひたすら衰えに向かっている義母ですが、食べることに関してだけは衰え知らずのようです。
息子の名前は忘れてしまっても
自分の好物には何より反応が早い!
食欲の秋という言葉がありますが年がら年中食欲の秋の義母。
食べる意欲は人一倍です。
数年前まではドリフのビデオが大好きでお気に入りの場面が来るたびに(認知症で毎回みたことを忘れちゃいます)大笑いしていた義母も
この頃では全く関心を示さず、たまにみせても笑い声が出ることはほとんどなくなりました。
人の手を借りなくては外出もままならずお出かけと言えばデイサービスか通院がせいぜいの毎日。
『楽しみ』からどんどん遠ざかっていく義母を見て『食』だけが唯一義母に残された『最後の砦』だと思っていたのです。
毎年10月には夫の友人の誘いで落語会に行くことが私たち夫婦の数少ない楽しみとなっていました。
けれど落語会の開催は決まって日曜日。
デイサービスは残念ながらお休みです。
なので、ここしばらくは義父母同伴の観覧となっていました。
昨年までは会場のすぐそばに車を乗りつけて、何とか自力で席に着けていた義父も、今ではそれすらも難しい状況となりました。
手持ちの車いすに加え、もう1台を義母のデイサービスのご厚意でお借りすることが出来たので
今年は2人そろって車いすでの観覧です。
ただ、落語会は2時間ほどかかります。
義父はともかく、義母がもつかどうか? それだけが心配でした。
ところが幕が上がってみると...
あらびっくり。
最初から最後まで舟をこぐことなく、一生懸命聴いているではありませんか。
しかも 『てんしき』(古典落語の演目で知ったかぶりをする和尚さんを小僧がとんちを利かせて遣り込めるというお話)では何と
笑いどころで声を上げて笑っています。
落語のテンポや雰囲気が義母には受け入れやすかったのでしょうか。
久しぶりに義母の笑い声を聞いて私たちもうれしくなりました。
義母の最後の砦が『食』だけではないことを知った今回の出来事。
認知症の義母の引き出しにはまだまだ沢山のものが入っているようです。
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