<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:人のふり見て我がふり直せ。50歳を過ぎても身にしみる言葉です。
約2年前、50歳の私が勤める職場に、中途入社の社員が配属されました。
中途入社社員のAさんは、48歳の男性です。
接客業に長く従事してきた彼は、特にあいさつと上下関係に厳しく、いつも自分から率先してあいさつをする方でした。
体育会系出身なのでしょうか、元気にあいさつをするAさんを悪く言う人はいません。
むしろ、見ているだけで元気をもらえる気がする、とAさんは高評価を受けていました。
しかし、入社して半年がたつ頃、事件が起きました。
突然、Aさんが女性のパートさんを怒鳴りつけたのです。
何があったのかとAさんに話を聞くと、入社してから今日までの間、いつもAさんのほうが先にあいさつをしているのが気に入らないとのことでした。
Aさん曰く、あいさつは格下から先にするのが当たり前であり、自分は社員なのだから、格下であるパートさんからあいさつをするのが礼儀だと主張をするのでした。
随分偏った主張をするAさんを、自分の物差しだけで当てはめるのは良くない、Aさんのあいさつでみんなが気持ち良く働いているんだと思えばいいじゃないか、と諭しました。
しかし、頭に血が上ってしまったAさんはなかなか了承してくれません。
それどころか、あいさつは何事にも優先するべきだ!と、私にも強い言葉を使ってきました。
このままでは話にならないと思い、私はAさんに提案をしました。
「あなたの思う通りのあいさつをみんなに教えてあげてほしい。まずは理想的なあいさつのお手本を見せてあげてくれないか」
Aさんは鼻息を荒くして「きちんとしたあいさつを見せてやる!」と豪語し、その場を立ち去りました。
Aさんに急に怒鳴られたパートさんですが、状況を見守っていた仲間のパートさんのフォローもあり、その後も勤務を続けてくれています。
大変なことになったのはAさんです。
相手が誰であろうが、自分から先にあいさつをしなくてはいけなくなったからです。
目上の人はもちろん、立場が下の人であろうと取引先であろうと関わらず、必ず自分から先にあいさつをするには限界があります。
たまたま私にあいさつしそびれたところを目撃されると、とても気まずそうにしています。
あの日から2週間ほどたった頃、Aさんは自分が怒鳴りつけたパートさんに謝罪しました。
私にも謝罪し、Aさんは自分の傲慢さを認めることになりました。
それからは関係も少しずつ修復され、今ではみんなが明るくあいあつを交わし合っています。
Aさんも持ち前の元気の良さが再び受け入れられ、好感度を取り戻しました。
そんなAさんを見て、仮に正論であったとしても上から振り下ろすような言い方をしてはいけないな、と学ばせてもらいました。
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