アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と2ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
【前回】ああモヤモヤする! 飾り付けと片付けだけやらされて呼ばれなかった雛祭りパーティー/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
以前の私は姑の施設入所があったり、舅が自宅でリハビリをするのを渋っていたり、同時に子ども達の学校の事や習い事の指導があったりで色々大変だった。
そんな中、上弟やその嫁からの借金と、それこそ色んな事が次々と起こっていたので、下弟との事は上弟の事に比べれば小さな事だったんだと思う。
ところが上弟と縁が切れてからと言うもの、下弟との関係の中の小さな「?」がどんどんと大きくなり、「あぁ、あの時も、この時も、あれもこれも...」とモヤモヤが一気に膨らんできた。
まだ私の息子が4~5歳だった頃の事、当時まだ独身だった下弟が食事に誘ってくれた事があった。
連れて行って貰った先のレストランの席はガーデンタイプのお席で、緑あふれるお庭の中での食事で気持ちが良かった。
滅多に(と言うかほとんど)外食をする様な余裕のある家計ではなかったのと、子どもがじっとしていられないのが分かっていたので、外で食事をする事がほとんどなかった。
息子は自然あふれるレストランが嬉しかったので、早くそのお庭で遊びたくてソワソワしだす。
料理が運ばれて来ても遊びたいのが先に立つので、食事もそこそこで椅子から降りようとする。
けれども下弟はゆっくりまったりと食事を楽しんでいるので、まだまだ時間がかかりそう。
私は遊びたくてゴソゴソしだす息子が気になって、せっかくの食事もかきこむ様に食べた。
息子は嬉しそうにお庭を走り回り、声を出して喜んでいた。
するとそこで下弟がこう言った。
「姉ちゃん、いつからうちは食事が終わらんうちからウロウロしていい事になったんや?」
いやむしろ、こんな小さな子ども連れで、大人が満足して食べ終わるまで席でジッとしていろは無理だろう。
それも自然あふれるガーデンレストランで。
それに子ども自身はもうご馳走様をしているので、食事が終わってないのは大人だけだ。
こんな事になるのが分かっているから外食は極力しないようにしていたし、行ったとしてもサッと食べてサッと帰るか、個室のある所にしていた。
私の実家では全員の食事が終わるまで席を立つ事は許されず、先に食べ終わったとしても全員が終わるまで座ったままで待つ事が暗黙のルールだった。
それがあるから下弟は、私の子育てを躾がなっていないと思ったのだろう。
それでも当時はまだ結婚もしていない下弟だったので、自分の子どもが出来ればわかるだろうと思ったし、むしろ意地悪な言い方だが「あんたの子育てが見ものだな」とも思った。
そして下弟に子どもが生まれその食事中の躾とは、姪は一口食べてはウロウロ、また一口食べてはウロウロを繰り返すが誰も注意をしない。
それこそ私はそれを見た際には、目を丸くして驚いた。
姪がウロウロしているのは、食事が終わっている訳ではなく食事中にウロウロしている。
けれどもここで仕返しとばかりに「いつからうちは食事が終わらんうちからウロウロしていい事になったんや?」などと言おうものなら、下弟にではなく嫁のM子ちゃんに言ってる事になるので言えない。
大人が食べている中、一口食べてはウロウロして遊ぶ姪に、母親のM子ちゃんは戻ってきた姪の口に食べ物を入れてやり、また姪はウロウロしに行き、M子ちゃんは自分の食事を続ける。
私は下弟に目をやりながら、「これがあんたの躾か!?」と心の中でつぶやいた。
当時は正月はどこにも行く所がないだろうと、我が家で上弟家族も下弟家族も呼んで正月を迎える事が毎年の事となっていた。
上弟家族は相変わらずだったので、次第に下弟家族だけが来るようになった。
我が家の正月と言うとおせち料理は3段重が4~5個出来るほどの量の料理を作り、下弟が持って来てくれた蟹で鍋を用意し、帰りにはテーブルに出した物とは別のおせちを、お持ち帰り用としてタッパでいくつも詰めた物を持って帰らせていた。
下弟もM子ちゃんも「これで残りのお正月休みが助かります!」とたいそう喜んでくれていた。
私は今でもそうだが、料理を作って振る舞う事が好きなので、それ自体には何の苦労もなかったが、問題は姪の食べ方だった。
まだ誰も手を付けていない栗きんとんの栗だけを次々と指でほじくり出して食べ、栗きんとんが穴だらけになる。 M子ちゃんは「この子栗が大好きなんです~♪」とそれを見てにこにこと笑い、私は「なぜ注意をしない?」とモヤモヤし、この栗だけほじくったきんとんではなく、綺麗にタッパに詰められた栗きんとんを平然と持ち帰る事にもモヤモヤした。
私なら我が子が指でほじくった方を持ち帰る。
直接言えばいいだろうと思うだろうが、当時とにかく私は何を言っても嫁いびりと取られる時代だと思っていたので言えなかった。
それも目をつぶって数年過ごしたが、それでも毎年同じ事をされては「この子栗が好きで~」を繰り返され、毎度下弟家族が帰った後は栗をほじくられた穴だらけのきんとんを見てはモヤモヤした。
そしてまた正月が来た。
姪ももう赤子ではない。 栗きんとんを前にした姪が、真っ先に再び栗だけをほじくって食べだし穴だらけにし、いつもの様にM子ちゃんが「この子栗が~」と言った瞬間、私は「あぁ、お持ち帰りはそれをタッパに詰めて帰ってね」と言った。
一瞬M子ちゃんは絶句し、その後一言も発する事なく帰る時間になった。
いつものようにお持ち帰り用の料理が詰まったタッパを下弟に渡して鞄に詰めさせている間、私はM子ちゃんに空のタッパを渡して「そのきんとんこれに詰めて帰ってね。姪ちゃん以外は誰も手を付けてないから」と言ったら尚のこと驚いた表情だったので、お持ち帰りの分はいつも通りに綺麗な物が貰えると思っていたのだろう。
M子ちゃんは空のタッパを横目に帰り支度をし出したので、さながら私も意地悪だとは思ったが、「きんとん私が詰めようか?」と、サッサと詰めて下弟の鞄に入れた。
「あぁ、嫁いびりされたと思ったかなぁ」と少し心が痛んだが、翌年からは姪が栗きんとんに手を出そうとすると瞬時にM子ちゃんが注意をして止めるようになった。
もっと早く言えばよかったか? と後悔もしたが、穴だらけのきんとんを見てモヤモヤする事もなくなったし、M子ちゃんも栗のなくなった穴だらけのきんとんを持って帰らされる事もなくなった。
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