アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と2ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
【前回】兄弟を金づる扱い! タカリ気質の兄一家に情けをかけず、キッパリ縁を切れ!/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
上弟と縁が切れた事に私は心底安心した。
親が亡きあとには兄弟姉妹が共に協力し合い仲良くと言うのが理想だろうが、あくまでもそれは理想。
亡くなる以前から仲が悪かったものが、亡くなったからといって仲が良くなる訳がない。
そもそも元から親がいたからこそなんとか我慢も出来ていた事だ。
親が尻拭いしていた事であったり親がかぶっていた物が、全てそのまま残された者に降りかかってくる事はたまったものじゃない。
いくら兄弟姉妹であったとて、それぞれに家庭があり生活がある。
それを犠牲にしてまで助けてやるには、それ相応に受ける方にも礼儀があると私は思う。
「して貰って当たり前・してやって当たり前」では決してない。
それもして貰った後には恩も義理も無く、なかった事の様に平然と悪態をつくような不義理をする者など、それこそ縁を持った者にとっては不幸としか言いようがない。
私がこの考えに至ったには理由がある。
上弟との縁が切れた後、下弟家族と付き合う機会が増えた。
正月はもちろんの事ながら、下弟に2人目の子どもが出来た頃から「??」と思う事が度々あった。
「たびたびあった」と言うよりも、「そう言えば今考えるとあの時...」という事も出てきて、私の心の中の小さなモヤモヤがむくむくと大きくなっていった。
いくら下弟の結婚時に親が離婚していて姑がいなかったとしても、一応下弟嫁のM子ちゃんに対して私は小姑に当たるので、物を言うのも気を付けていたつもりだった。
姑がいなくても小うるさい小姑がいたら一緒だと思ったからだ。
思い返せば最初に「??」と思ったのは、姪(下弟の娘)が生まれた際に下弟から言われた事だった。
「娘の初宮参りに、嫁の親から出産祝いとして宮参りの着物を買ってくれると言われたから、姉ちゃんにはベビーカーを買って貰いたいんやけど...」
希望の品を聞くと8万円近くする商品で、当時は「そんな高価な物を姉が買う?」とは思ったが、両親共に亡くなった後だったので仕方がないと買ってやった。
ところが初宮参りの当日に姪を見ると、着物ではなく、ちょっとお高めで綺麗めのベビー服を着ていた。
私はM子ちゃんがトイレで離れた隙に下弟の耳元で小声でこっそりと「着物、買って貰うんやなかったん?」と聞くと、「向こうの親からはなんの話もなかった!」と怒った口調で答えた。
あぁ、そう言う事か...、と思い、それでもせっかくのお祝い事だからと思う事にした。
そして姪の初節句が間近になってきたある日、M子ちゃんから電話が来て「雛人形を飾るお手伝いに来てほしい」と言われたので行って来た。
M子ちゃんは子どもの世話に忙しいので、私に飾って欲しいとの事。
ご両親に買って貰った七段飾りの雛人形が大きなダンボールに入って届けられていて、中には詳細な説明書が入っていた。
土台は下弟が組んだようだが、そこでふと私は考えた。
これを私が1人で飾り付けしたとして、また来年も私が飾り付ける事になるんじゃないの?
私の毎年の仕事になるんじゃないの?
そもそも片付けもあるよね??
で? 手伝ってじゃなくて、私1人でするって事なのね?
お雛様の顔や手を素手で直に触ると手の油分が付いて汚れやカビの元になる為、飾り付けをする際には薄手の手袋をつけるのだが、セットの中には入っていなかったので持参して良かったと思った。
全ての飾り付けが終わった時点で、上から順に人形と小物を個別に写真に撮り、最後に全体を撮影した。
こうしておけば翌年からはこの写真通りに飾ればいいので、別に私が来なくても飾れる。
と、言う旨をM子ちゃんに伝え、手袋は置いて帰るし、後日写真をプリントして持って来ると言うと、心なしか「えっ?」という反応だったので、やはり毎年私に来てもらうつもりだったのかとモヤッとした。
この時に私はちょっと奮発して、被布を買って持って行って一緒に飾った(ちゃんと予め許可を得て購入) 。本来七五三の時に着るものだが、雛飾りの横に被布用のスタンドに掛けて一緒に飾った。
食事の用意ができにくいと聞いていたので、買い物して行って晩御飯の支度を済ませた。
帰りになにげに「お雛さんのお祝いってするん?」と聞くと、M子ちゃんは「えぇっと~、まだ分かんないです」と歯切れの悪い返事をしたのでそれ以上突っ込まないようにした。
そのまま3月3日には何もお声が掛からなかったので行く事もなく、親子3人でお祝いしたんだろうと思っていた。
そして後日、案の定雛飾りを片付けて欲しいと連絡が来たので行ったが、その際に見てしまったのだ。
キッチンのテーブルに出しっぱなしにしていた写真の中に、雛飾りの前で笑顔で寿司を食べる下弟家族とM子ちゃん両親がいた事、そして日付が3月3日だった事を。
「お祝いしたんやねぇ。ほんと、おめでとう。ご両親も喜んではったやろうねぇ」
一瞬私の心の中に黒いドロッとしたものが流れ、思わず口から出ていた。
私の目が笑っていなかった事に、M子ちゃんは気が付いていないようだった。
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