これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】「遺産の話、お前には関係ない!」夫にとって私は便利なタダ働き要員と思い知った日/オキガネ
【最初から読む】夫のリストラから夫婦で居酒屋経営へ。順風満帆だった我が家に忍び寄る影/オキガネ
夫婦喧嘩してドラマ等で定番として良く見掛けるのは実家に帰らせて頂きますって捨て台詞を放って実家に帰ること。
でも、実家には勘当されて行くあてのなかった私はそのまま旦那と一緒に働き続ける事を選択しました。
とりあえず店はやるからせめて一日5000円頂戴!って言って話をつけました。
お金の問題ではないけれど、そう言わずにはおれませんでした。
旦那は不満そうでしたが、それでも私の言い分をのみました。
私としてはかなりの低賃金で妥協したのだから、むしろ感謝して欲しいくらいです。
私と同レベルの仕事量をこなせる人物を雇うとなるとそれっぽっちの金額では到底足らない事でしょう。
何なら過去に遡って数十年分の給料を請求したいくらいなのに。
でも、そんな約束もすぐに元の木阿弥になりました。
なんと10日も経たないうちに旦那は音をあげたのです。
「5000円取ってもいいけど、家にお金を入れてくれ」
そう旦那が言ったのです。
5000円ですよ? 10時間働いたら1時間辺り500円です。
仕込みやら片付けを入れたら10時間じゃ済まない日だってざらにあります。
はぁ? 家にお金(生活費)を入れる?
じゃあ過去に戻ってそれまでの給料を頂戴よ!
そしたら、生活費を入れるからさ。
なんてやり取りをしましたが、結局は支払が~~、テナント料が~~、家のローンがぁ~と泣きつかれて私はまたお給料なしになりました。
全く! 泣きたいのはこっちの方です。
いや実際泣きましたけど。
それからは以前と同じくお休みの前日に僅かなお金を貰う位です。
「食べていけるんだからいいだろう? 一体何が不満なんだ?」
以前旦那に言われた言葉です。
え~~っと、不満だらけですけどぉ~~。
それを言うなら食べていけるんだから、不倫なんてするなって言ってもいいよね? 私。
食べていけるんだから、ゴルフも野球観戦もスナックも行かないで、勿論不倫なんてもっての他ですわよ。
食べていけるんだから...。
ホントはね。
旦那が不倫をするまではこう思ってました。
お金なんてなくても家族皆が笑顔でいられて幸せならばそれでいいって...ね。
そうじゃなきゃ、お給料も無しに何年も一緒に仕事なんてやっていけてませんよ。
当時の私の想い? それはね...。
人に我慢させといて、自分だけ良い思いしてんじゃね~~よ!! コノヤロウ !
これ程お金に余裕が無いと言ってる割には、女と遊ぶお金はあるんだ、ふ~~ん。
そう嫌みのひとつも言ってやりたいくらいでした。
いやあまり記憶にないのですが、それくらいの事は旦那に対して言ったかも知れません。
けれど私にまともな給料を払うと支払いなどにお金が足らなくなるだろうと言うことは私にも容易に想像出来ました。
だから生活の為にあえて私は我慢したのです。
そういう事があったのだから、旦那が自分の快楽の為にお金を使う事はこれからは減るかも知れないと思った私の考えはまだまだ甘かったのだと、後々私は悟ることになります。
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