これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
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浮気は止めて欲しい。
そう旦那に言った時に返ってきたのが
「じゃあ何か? オレは家でじっとしてろってか?」
と言う半ばキレたような言葉でした。
極端過ぎるでしょ!
...って話ですよ。
誰も遊ぶな、外に出て行くなって言ってる訳じゃない。
私は旦那が不倫という行為をするまで、休日にゴルフに行こうが飲みに行こうが、カラオケ行こうが、野球観に行こうが何一つ文句など言ったことがないのです。
常連のお客さんで旦那と一緒にゴルフに行ったりするお方が、「大将の所はいいよな。ゴルフ行くのに奥さんは文句言わないもんな。俺のとこのかみさんなんざ、いちいちゴルフ行く度に文句言うんだよ~」なんて事を仰っているのを聞いたことがあります。
普段はお仕事一生懸命頑張っているんだから、お休みの日くらいは楽しんだらいいよ。
私はそういう考えでしたから、いつも旦那にはそう言ってました。
旦那と私は共通する趣味が少ないので私も私なりに好きな事をしてました。
ミュージカルや舞台やフリーマーケットなどが好きで娘達と良く行ってました。
残念ながら最近はあまり行けてないですけど。
共通の趣味が少ない私達夫婦でしたが、演劇の舞台はお互いに好きで一緒に観に行ったことも何回かありました。
演劇が終わった後に、あのシーンはどうだったとか、あの俳優さんの演技は感動したとか、食事をしながら語った時間は至福の時でした。
ある日、いつものように旦那の部屋で怪しげなものはないかと漁っていたら、2枚の舞台演劇のチケットを見つけました。
その頃は旦那の不倫がバレて大もめにもめてる最中で私達の仲は険悪でしたから、私とではなくきっと不倫女と出掛けるに違いないと私が勘繰ったのは仕方がない事だと思います。
それでももしかしたら私と出掛けよう、昔のように仲良く一緒に舞台を観に行こうと誘ってくれるかもと期待して待っていました。
しかし、公演日が近付いても旦那の方から言ってくる気配は一向にありませんでした。
ある日しびれを切らした私はとうとう旦那に言いました。
「たまたまあなたの部屋で探し物をしていたら演劇のチケットを見つけたのだけど? 公演日もうすぐよね? どなたと行くつもり?」
勿論、不倫女と行くさなんて言うはずもありません。
お前と行く為に決まっている、中々言い出せなかっただけ。
旦那は慌てた様子でそう言い訳をしていましたが、それにしてはあまりにもギリギリ過ぎるじゃないの。
例え舞台好きな私のご機嫌取りの為に演劇のチケットを内緒で取ってたっていうのが本当の話だったとしても、もう旦那の言うことはことごとく信用出来ない自分がそこにはいました。
結局私はそのチケットを奪い取り、同じく演劇好きの次女と観に行きました。
もしも不倫女と行くつもりだったのだとしたら、してやったりって事になるのでしょうね。
少しだけスッキリしたとともに、私がこの時に意地を張らずに旦那の言うことを素直に受け取り一緒に演劇を観に行ってたら、私の人生はまた変わっていたのかも知れませんね。
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