アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から20年以上前、私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
【前回】え? 勝手に見学に行ってきた!? リハビリから逃れたい舅が画策した施設への入所/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
舅が指折り数えて待っていた施設の入所日。
舅自身、普段から付き合いのある親戚も友達もいないので、別れを惜しむ相手も連絡先を教える相手もいない。
それはそれで、家族である私たちも気楽でもあった。
これが夫側に兄弟姉妹が多かったり、親戚付き合いが密であった場合、正直言って手も金も出してくれない割には口だけは出すと言う場合が多く、施設入所なんてもってのほかだと、すったもんだになって結局入所を諦める話はよく聞く。
そもそも本人が入所を希望していない場合、自宅介護に限界が来たとしても、この外野が口を出してくることにより【人でなし】になってしまう。
その点、一人っ子の夫の場合は、金も手も出してくれる者はいないが、口を出してくる者もいないのは大きい。
介護方針やサービスの利用などに関してお伺いを立てなければならない相手もいないので、好きに進めても気兼ねが無い。
今回のように舅の施設入所を決めても、「兄さんが可哀想だ!」と言って来る者がいないのは本当にありがたい。(兄・舅・弟・弟・妹の5人兄弟)
あらかじめ舅が入る予定の部屋を見ていたおかげで、舅の荷物の準備はスムーズに済んだ。
舅はどこかに長期旅行でも行くのか? と思うほどの荷物だったが、とりあえず持って行きたいのであれば持って行きたいだけ全部持って行かせて、ダメだったら持って帰ればいいかと思った。
さすがに舅らしいなぁと思ったのは、分厚いファイルが何冊も入っている紙袋があり、そっと覗いてみるとアダルト雑誌の切り抜きを集めたファイルだった。
舅のコレクションは幅広く、私宛に届く女性下着の通信販売カタログも舅にとってはお宝のようだ。
こんな物を何冊も持って行ってどうする?と思った夫があれこれ口出しをしようとしていたが、置いて行かれても処分して整理するのは私なので、とりあえずは持って行かせて、捨てるなら施設で処分して貰おうと、夫を黙らせた。
そういう事で、舅がまとめた荷物は全部持っての入所だった。
施設に到着し荷物を搬入している時に、案の定職員たちが「こんなに??」と言う表情だった。
持って行った着替えをタンスに詰め、それぞれどこに何が入っているのか分かるように引き出しにシールを貼っていると、「ありがとうございます!」と職員さんに何度もお礼を言われた。
なぜ職員さんがお礼?と思ったが、後で着替えを用意する時に本人が用意出来ない場合(する気が無い場合)、職員さんの探す手間が省けるらしい事に気が付いた。
その後、荷物が片付いたので帰る事に。
別に夫と舅は名残惜しむ様な親子関係でもなく、夫は業務の一環の様な感覚で、舅は荷物持ちとタクシー代わりの感じ。
夫は用事が終わればサッサと帰りたい様子で、舅はもうお昼ご飯の事が頭にあるのか心ここにあらず。
私は舅が隠すように、肌身離さずのリュックサックにウイスキーの小瓶を入れているのに気が付いていた。
恐らく私達が帰った後に、昼ご飯時にそれを出してくれるように言うつもりなのだろう。
それが大きな大きな勘違いだった事に、舅が気が付くのに時間は掛からなかった。
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